海の事故ゼロに 田辺海保が海域パトロール

プレジャーボート(手前)に乗って釣りをする人に啓発物を渡す海上安全指導員ら=田辺湾で

 「海の事故ゼロキャンペーン」(7月16~31日)に合わせ、和歌山県の田辺海上保安部は26日、田辺湾と鉛山湾周辺の海域でパトロールをした。航行するプレジャーボートに救命胴衣の着用や発航前の点検を呼びかけた。

 この日は、プレジャーボートの発航に関する知識や能力を持ち、第5管区海上保安本部から指定を受けた海上安全指導員5人と合同で実施した。

 パトロールを前に田辺市文里1丁目の文里港で出発式があり、田辺海上保安部の真部克彦部長が「7月に入ってから週末になるごとに管内で事故が発生している。田辺海上保安部でも危機感を持って警戒を高めている。安全指導を行うことで、マリンレジャーを楽しむ全ての方々に海の事故ゼロへの思いが届いてほしい」とあいさつした。

 式後、海上安全指導員と海上保安官が安全パトロール艇に乗って海上を見回り、救命胴衣の着用を呼びかけるポスターや田辺湾周辺の危険箇所を記した安全情報図などを渡した。

 安全指導員の小森啓示さんは「海は危ない場所。安全第一で楽しんでほしい」と話した。

 田辺海上保安部管内では、7月に入り、25日までの速報値で、船舶海難2件、人身海難2件の事故が発生。ミニボートの機関故障やプレジャーボートの乗り上げのほか、白良浜(白浜町)では海水浴客溺死、印南町では水上バイクの操縦者が操縦ミスで落水し、右足首に全治3カ月のけがを負う事故があった。

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