WHILL、成田空港でエレベーターと連携した自動運転の実証実験実施へ

WHILL株式会社(以下、WHILL社)は、成田国際空港株式会社(以下、NAA)が運営する成田空港第2旅客ターミナルにおいて、エレベーターと連携した実証実験を2022年7月28日より開始する。7月21日付のプレスリリースで明かした。

WHILL社は、以前から「WHILL自動運転システム」を用いた、パーソナルモビリティと建物のIoTによる連携を実施していた。また、空港との取り組みも進めており、羽田空港では国内線第1・第2ターミナル出発ゲートラウンジ全域で「WHILL自動運転モビリティサービス」で展開中だ。

WHILLと三菱電機が実証実験 エレベーターと連動し、上下階への自動走行移動が可能に

WHILLは2月1日、三菱地所株式会社とSAPジャパン株式会社が同日にオープンしたコラボラティブスペース「Inspired.Lab」で、「WHILLパーソナルモビリティ自動運転システム」を利用した実証実験を、三菱電機株式会社、株式会社Liquidと共同で開始すると発表した。また同日に行われたコラボラ...

WHILLが羽田空港国内線出発ゲート全域での運行へ、今年度内に順次拡張

羽田空港のターミナルビルを運営する日本空港ビルデングは6月22日、国内線第1・第2ターミナルで運用中の自動運転パーソナルモビリティ「WHILL(ウィル)」のメディア向け説明会を開催した。今年度中にWHILLの運行範囲が国内線出発ゲートラウンジの全域に拡張する。...

同実証実験は、出国審査後の旅行客を対象として7月28日~8月10日に実施する。利用者は手元のタッチパネルで目的の搭乗ゲートを選択するだけで、安全かつ快適に移動することが可能だ。空港において、人を乗せた自動運転パーソナルモビリティ(一人用の乗り物または電動車いす規格)とエレベーターが連携し、出発地点から目的の搭乗ゲートまですべて自動運転で階をまたいで移動する実験は、同実証実験が世界初(WHILL社調べ)だ。

これまでの自動走行は、同一の階で運用されていた。今回異なる階をまたいで可能となることで、目的地の幅が広がり、高齢の人や長距離の歩行に不安のある人などを含むすべての利用者に、より快適で便利な移動手段を提供する。システム連携には、Octa Robotics社製の通信用モジュールを採用している。

また、WHILL社は、同サービスを国際線で初めて活用するにあたり、手元のタッチパネルで複数の選択肢から言語を設定できる機能を搭載する。英語と日本語に加えて、特にニーズの高い中国語(簡体字と繁体字)とベトナム語を選べるようにする。これにより、国外からの旅行客も気軽に同サービスを使えることと、広い空港内においてスムーズに目的の搭乗ゲートまで移動しやすくなることが期待できる。選べる言語は、今後のニーズに応じて随時増やしていく予定だ。

なお、NAAとWHILL社は今後、成田空港の利用者に、誰でも楽しくスマートな新しい移動スタイルを提供する同サービスの本導入を見据えてプロジェクトを進めていくと述べている。

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