ウイリアムズF1、育成のサージェントが来季のドライバー候補に上がる可能性も。代表は評価を急がず

 ウイリアムズF1チームの代表ヨースト・カピートは、ドライバーアカデミーのメンバーであるローガン・サージェントがチームのドライバー候補に浮上したことは「頭の痛いこと」だと述べている。

 現在、ウイリアムズはアルピーヌからのオファーを検討している。2023年にニコラス・ラティフィの後任として、高評価を受けているジュニアドライバーのオスカー・ピアストリを貸し出すというものだ。

 しかしカーリンからFIA F2に参戦中のサージェントは最近好結果を出しており、シルバーストンとオーストリアのラウンドで優勝を飾っている。そのため、最終的に2023年シーズンのアレクサンダー・アルボンのチームメイトになる候補者として、サージェントが上がってくる可能性がある。

2022 FIA F2第7戦シルバーストン レース2で初優勝を飾ったローガン・サージェント(カーリン)

 カピートは2023年のドライバー候補リストにサージェントを入れる可能性に触れたが、彼がF1に昇格した場合、2015年のアレクサンダー・ロッシ以来となるアメリカ人ドライバーがF1グリッドに登場することになる。

「非常に頭の痛いことではないだろうか?」とカピートはコメントした。「私はもっとひどい頭痛も経験したことがある」

「もちろん我々は感心している。これは彼にとって最初のF2シーズンだ。彼にプレッシャーをかけることはしていない」

「彼には成長するための時間がある。それに彼がどれだけ早くマシンやタイヤマネジメントを理解し、結果を出すかということに我々は感心している」

「彼は(ポール・リカールで)ポールポジションを獲得したが、実に見事だった。彼は将来F1マシンに乗るだろう。私は完全に確信している」

2022年FIA F2第9戦ポール・リカール ローガン・サージェント(カーリン)

 来年の見通しについて、カピートは昨年12月にアブダビでウイリアムズのテストを行ったサージェントの話はまだ早すぎると明言した。

「たとえば、彼にはスーパーライセンスポイントが必要だ」とカピートは指摘した。「そのためにはチャンピオンシップをトップ5に入ってフィニッシュしなければならない。今のところは順調に見える」

「だがすぐに不振に陥ることは常にあり得る。だからシーズンが終わっていない以上、F2ドライバーについて早期に何かの決定を下すことはかなり難しいことだ。もちろん意志決定の一部ではある」

 今年、すべてのF1チームは少なくとも2回の金曜フリー走行を、任意の会場で若手ドライバーに任せなければならない。

 ウイリアムズはバルセロナで、現フォーミュラEチャンピオンのニック・デ・フリースを起用した。カピートは2回目の枠をサージェントに割り当てることは理にかなっていると言及した。

「それは明らかだと思う」とカピートは語った。「まだ発表はしていない」

「我々の若手ドライバーアカデミーは非常にうまく機能している。最近では3つの好結果が出ている。ローガンはこの2戦で優勝し、(ポール・リカールでは)ポールポジションも取った。彼は走行させるのにふさわしいと考えている」

2021年F1アブダビテスト ローガン・サージェント(ウイリアムズ)

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