コロナに負けず伝統の地蔵踊り 鏡野・新町地区、五穀豊穣願う

新型コロナウイルス禍の今年も地蔵踊りを継ぐ地区住民

 岡山県鏡野町新町地区で450年近く伝わる「新町地蔵踊り」(町無形民俗文化財)が23日夜、香々美の地蔵堂前広場であった。戦国時代から途切れず続いているとされ、新型コロナウイルス禍の今年も地区住民が踊り継いだ。

 旧倉吉街道の宿場町だった同地区で天正年間(1573~92年)に始まったとされる。コロナのため2020、21年は地元住民でつくる「新町地蔵踊り保存会」の役員のみが踊り、今年も地区住民の参加に絞って行った。

 そろいの浴衣に身を包んだ住民らは、ゆったりとした「四つ拍子」、ややリズミカルな「願力」、動きがユーモラスな「チョイチョイチョイ」の3踊りを披露。太鼓や音頭取りの歌、「しゃんとこ、どっこい」といった合いの手に合わせてやぐらの周りを練り、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災、コロナの収束を願った。

 鏡野中2年生(13)は「地域の大切な行事なので、これからもずっと続いてほしいし、毎年参加したい」と話した。

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