菅前首相「総理としての約束果たす」 要職起用受け入れを示唆

菅義偉氏(資料写真)

 菅義偉前首相(衆院神奈川2区)は27日夜、BS11の経済ジャーナリスト・財部誠一氏の番組に出演し「2050年までのカーボンニュートラルの実現をはじめ、総理として国民に約束したことを果たす」などと説明。9月初旬に見込まれる内閣改造や自民党役員人事での要職起用を受け入れる考えを示唆した。

 財部氏は菅氏のブレーンで、首相時代にも意見交換を重ねていた。菅氏は「副総理起用説も聞かれるが」との財部氏の問い掛けに対し、脱炭素社会やデジタル化の推進を引いて「加速度的に進めたい」と表明。福島第一原子力発電所の事故処理水の海洋放出にもふれ「決断した責任もある。福島復興の実現にも尽くしたい」と述べた。

 今後の自らの役割を「省庁などの縦割りを打ち破る。全体を見ながら前へ進めたい」と説明。「官房長官や総理など置かれた立場でやれることは全てやろうという思いは変わらない」などと付言した。

 安倍晋三元首相が銃撃されて死亡したことについては「いまだ真正面から向き合えていない」とし、「安倍さんが平和安全法制を通したからウクライナ危機下でも強固な日米同盟があり、日本の安全保障がある。先を見越した功績は大きい」と振り返った。

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