「コロナだけが相手ではない状況」子どもの感染増で医療の現場は 似た症状にパニック陥る保護者も

静岡厚生病院(静岡市葵区)の小児科では、自宅療養中の子どもの状況を定期的に電話で確認しています。こちらの病院では、7月に入ってから、子どもの検査数が増え、陽性者も増加しています。

<静岡厚生病院小児科 田中敏博医師>

「6月の間は、比較的穏やかに経過していたが、7月の第一週が明けた月曜日から、突然ジャンジャン電話が鳴るようになって、実際にコロナの患者さんが検査をすると陽性になる状態が、今週で4週間続いている」

実はいま、小児医療の医師たちは難しい対応を迫られています。

現在、子どもの間で流行っている病気をまとめた図をみると、新型コロナウイルスに似た症状の病気が4つあります。いずれの病気も熱や喉の痛み、嘔吐など症状が似通っていて、発症した子どもの保護者が新型コロナだと決めつけてしまい、パニックに陥るケースがあるといいます。

田中医師は発熱ですぐに病院に行ったり、救急車を呼ぶと医療体制の切迫につながると警鐘を鳴らしています。

<静岡厚生病院小児科 田中敏博医師>

「今はコロナだけが相手ではない状況にあるので、あまり変に社会全体で煽るようなことはしていけないが、コロナだけではないことを理解していて欲しい」

確かにいろんな病気が流行している中で、医療崩壊を招くのは避けなければなりません。その一方で、もし、子どもが発熱したらどうしたらいいのか。静岡県は医療機関にかかるかどうかの基準を示しています。

静岡県は、発熱や風邪の症状に加えて、7つの条件の一つでも当てはまる場合は受診の相談をしてほしいとしています。

お子さんが熱を出すととても不安になると思います。見極めは難しい部分もあるかとは思いますが、子どもがどれだけ普段と違う状況なのかを確認し、冷静な対応をお願いします。

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