湯田温泉の「でぶっちょ狐」 10体中2体が移設、募金呼び掛け

▲内山さんと、移設されるでぶっちょ狐

 山口市湯田温泉に”棲む”「でぶっちょ狐」をご存じだろうか。「招き猫」の恰好をし、まるでタヌキのように丸々と太った10体の狐の石像は、中原中也記念館入口と湯田温泉観光回遊拠点施設「狐の足あと」に面した「湯の町通り」に軒を連ねる店の前などに、約20年間設置されている。だが、そのうちの2体が店舗閉店に伴い移設されることになり、その費用を工面するための募金が呼びかけられている。    

 でぶっちょ狐(別名:招き白きつね)は、山口市による2000年度の「湯田地区活性化策支援事業」がきっかけとなり誕生した。市民からアイデアを募ったところ、内山久美子さん(工房アリィ代表)による手のひらサイズの石の白狐などが優秀賞を受賞。当初は土産物として販売することを想定していたが、量産化が困難だったため、サイズを大型化し、湯田温泉街に石像として設置されることになった。2002年4月の「湯田温泉白狐まつり」でお披露目され、以来20年間、湯田の町を見守り続けている。    

 石像の内4体は、「千客万来」の文字が刻まれた小判を持つ統一デザイン。他の6体にはそれぞれ、酒びん(酒屋)、反物(呉服店)、魚(鮮魚店)、鉛筆(文房具店)、タイヤ(自転車店)、エプロン(精肉店)がデザインされている。高さは台座を含めて約1メートルで、重さは約400キロ。    

 移設される1体は、ツムラ精肉店前に置かれていた像で、移転先は井上公園近くのピッツェリアヴォルぺビアンカ。もう1体は、タケヤ文房具店前に置かれていた像で、”嫁入り先”は現在募集中だ。どちらもオリジナルデザインのため、彫り直しや修復などの”化粧直し”も必要で、移設費も含め、5万4000円かかるという。

   

▲”嫁入り先”募集中

 募金箱は、工房アリィとピッツェリアヴォルぺビアンカ(ともに山口市湯田温泉2)に設置。「子どもたちがお小遣いの中から募金してくれる姿を見かけることもある。皆さんの温かい気持ちに感謝しながら、目標金額まで頑張りたい」と内山さん。    

 問い合わせは、工房アリィ(TEL090-8996-9004)へ。

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