記録的猛暑にどう備える?熱中症を防ぐ方法、治療費が払える保険は?

6月下旬から気温30度を超える地域がある昨今。最高気温も年々うなぎ上りで、体温を超える日もしばしば。本格的な夏を控えて、熱中症が起こるケース、予防法、備える保険にはどのようなタイプがあるか知っておきましょう。


室内でも多い熱中症。こんな症状が危険信号!

熱中症はどのような条件で起きるのでしょうか。環境・からだ・行動 この3つの要因が揃うと、熱中症を引き起こします。

1.環境 気温湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、エアコンのない部屋、閉め切った屋内、急激な温度上昇

2.からだ 高齢者や乳幼児、肥満の人、下痢やインフルエンザなどで脱水症状のある人、糖尿病や精神疾患といった持病を持っている人、二日酔いや寝不足など体体調不良の人

3.行動 激しい運動、長時間の屋外作業、水分補給ができない状況

このような3つの要因が揃ってくると、体のバランスが崩れ、汗や皮膚温度で体温が調整できず、体温が上昇し体に熱がこもってしまう。このような状態が熱中症です。

熱中症を疑う症状は、めまい、頭痛、吐き気、倦怠感、けいれん、大量の発汗、意識障害など多岐にわたります。おかしいなと思った時、または周りにそのような人がいる場合は、呼びかけに応えなければ、迷わず救急車を呼びましょう。意識がある場合は涼しい場所へ避難し体を冷やします。自力で水分が採れるようなら、経口補水液などで水分を補給しましょう。それでも症状が改善しないようなら医療機関で受診する必要があります。

特に注意が必要なのは高齢者です。体内の水分量は、子ども75%、成人60%、高齢者50%と子どもや成人に比べだいぶ少なくなってきます。体の老廃物を排出する際にたくさんの尿を必要とするのも高齢者ですので、体内の水分はさらに不足しがちです。また、加齢により、暑さや渇きに対する感覚が鈍くなり、エアコンがあるご家庭でも室内で使用せず、結果屋内で熱中症を発症し、死亡に至る高齢者も多数いらっしゃいます。

熱中症を防ぐ方法とは

環境省では、全国で熱中症警戒アラートを発信しています。熱中症の危険性が極めて高くなると予想される日の前日夕方、または早朝に都道府県ごとに発表されています。自分の住んでいる都道府県の警戒アラートをLINEで通知してくれるアプリもあります。環境省 LINEで検索すると簡単に友達追加もできます。登録しておくと安心です。このようなアラートを受けた場合は不要不急の外出は避け、屋外での運動は中止や延期をすることが重要。のどが渇く前にこまめに水分補給することも有効です。

暑さ指数(WBGT)はご存知でしょうか。WBGTとは、気温、湿度、輻射熱(日差しを浴びた時に受ける熱や、地面・建物・人体などからでている熱のことです)の3つを取り入れた指標です。

最高気温が同じ32.5℃の場合でも、湿度が高くWBGTが29.9℃の日と、湿度が少し低くWBGTが29.9℃の日を比べると、熱中症の搬送数はWBGTが高い日の方が倍位多かったというデータが残っています。

では、WBGTがどのくらいになると危険なのでしょうか。環境省のデータによると、WBGTが28℃を超えると熱中症発生率がいっきに上がることがわかっています。警戒アラートが発表された場合は、気温だけでなく暑さ指数(WBGT)にも注意してみましょう。

医療保険以外にもこんな保険で治療費が払える

熱中症にかかってしまった場合、入院治療すれば健康保険適用の入院となるので、医療保険の入院給付金が支払われます。基本的には点滴の治療となりますが、重症の場合は改善するまで入院ということもあります。この場合は医療保険で治療費が補填できます。

傷害保険の特約として「熱中症危険補償特約」という特約があります。傷害保険は急激かつ偶然な外来の事故による「ケガ」に備える保険ですから、基本項目では熱中症は支払い対象外です。ただし特約が設定されていれば、入院・通院などの保険金を支払うことができます。
地域の行事などで加入するレクリエーション保険などにも特約を付けることは可能です。保険料は若干高くなりますが、夏場の行事の際は特約を付けると安心です。

少額短期のスマホ保険では、アラートがでて、今日は熱中症の危険が高いなと思った時に、1日だけ入れる熱中症保険が人気です。1日100円で点滴治療があれば治療保険金1万円、1泊2日以上の入院があれば3万円の保険金が支払われる補償内容です。スマホで完結できるので、レジャーの際手軽に加入でき便利な保険です。

旅行や行事中など、日常と違う場所で熱中症になってしまうと、思いがけず出費がかさんでしまうこともあります。期間限定、スポットの保険準備も必要でしょう。

気温40℃を超える猛暑日が頻繁に訪れる最近の夏。熱中症は重症になると自律神経失調症になってしまったり、脳や腎臓・肝臓などにダメージを与えることもあります。情報をこまめにチェックし、危険な暑さの日は予定を変える、エアコンを上手に活用する、こまめな水分補給など、予防にこころがけ、発症しないよう心がけましょう。

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