佐藤万璃音、FIA-F2ル・キャステレ戦は9位/リタイア「次に繋がる内容だったと信じて」次戦へ

 7月22〜24日、フランスのポール・リカールで行われたFIA-F2第9ラウンドのル・キャステレ戦。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は、レース1で9位入賞を果たしたものの、攻めたレース2では接触。リタイアを喫する結果となった。

 シュピールベルクでは不運が続いてきた万璃音は、走行初日の22日、現地時間午前11時35分から行なわれたフリー走行に臨むと、ソフトコンパウンドのタイヤを履いた時の挙動を想定しながら慎重にセットアップを進めていき、午後の予選までにチームメイトとのデータを比較し、解析して予選用の最終セットを決めていった。

 そんな取り組みが功を奏し、午後6時30分、気温29℃、路面温度49℃という暑さのなかスタートした予選では、万璃音は2セット目のアタックで1分44秒839をマーク。フリー走行より3秒以上速いラップタイムをマークし、12番手で予選を終えた。

「フリー走行では予選に向けて異なったタイヤでセットアップを進めていくのですが、チームメイトのデータと比較しても悪くないフィーリングでした。実際にタイヤを交換してアタックした時のバランスも悪くなく、上位12台が1秒以内という僅差の予選でしたから、順位的には悔しいけれど、走りの内容に関してはまずまずの結果だったと思います」と万璃音。

 7月23日(土)のスプリントレース/決勝レース1は、荒れた展開となった。フォーメーションラップへのスタートで3台のマシンがグリッド上にストップし、ピットスタートへ。気温28℃、路面温度38℃、ドライというコンディションのなか決勝のスタートが切られた。

 1周目、11番手でコントロールラインを通過した佐藤万璃音は、そのまま好ペースを維持して走行を重ねていく。9周目にアクシデントでセーフティカーが導入され、13周目に再開。終盤に向けて激しい攻防戦が繰り広げられるなか、万璃音は11位のままチェッカーを受けた。しかしレース後、上位陣にペナルティが出されたこともあり、正式結果は9位となった。

「レース1は、攻め続けたらチャンスが来ると信じていましたが、最後まで大きなチャンスが来ることなく終わってしまった感じですね。スタートも決まったし、レース中のラップタイムも悪くなかったのですが、何台もオーバーテイクするには、何かが足らなかった気がします」

 シングルフィニッシュの勢いを繋げたい日曜のフィーチャーレース/決勝レース2だったが、万璃音にとって今シーズン忘れてしまいたいレースのひとつとなってしまった。12番手グリッドから好スタートを見せた万璃音だったが、ターン8でアウトから抜きにかかったマシンに逆に押し出される形となり接触。マシンをコース上にストップさせリタイアとなってしまった。

「レース2は、自分はプライムタイヤでスタートしたのですが、本当に悔しい結果となってしまいました。スタート直後から第8コーナーでリタイアするまで、もう攻め切った、という気分でした。とにかくギリギリの勝負の中で1台でも前に行こうとして、最後は相手に寄せられ、はじき出されたのですが、レースですから仕方ないです」と万璃音は振り返った。

 次戦ハンガリーはすぐにやって来る。「悔しい結果ですが、次に繋がる内容だったと信じて、絶対にハンガリーでリベンジします」と万璃音は力強く語った。

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