第104回全国高校野球選手権静岡大会は7月29日、決勝を迎えました。春夏連続の甲子園を狙う日大三島と17年ぶりの夢舞台まであと1勝の静清が激突。スタンドからは、勝利を信じ、家族や応援団長がエールを送り続けました。
滝澤悠希キャスター
「午前9時です。観客用の入場口がいま開きました。熱戦を待ちわびた多くの人が続々と中に入っていきます」
日大三島のエースで4番松永陽登投手の母映子さんは3塁側スタンドから熱い視線を送ります。
<日大三島・松永陽登投手の母 映子さん>
「決勝戦の朝も午前5時半からみんなで練習してきた。試合当日でも必ず練習をやるので、とにかく甲子園、目の前なのでつかんでほしい」
一方、静清にもファンが多く他校の生徒など若い女性の姿も。一眼レフカメラを構えます。
<静清ファン 紅林理沙さん>
「(中学の時)近くの球場で、たまたま静清の試合があって、そこからずっとカメラをやって応援している。静清高校!頑張れ!」
試合は初回から動きます。日大三島は2死2塁で母親がスタンドから見守る4番松永陽登投手がセンター前タイムリーヒット。ここまで全て、先行逃げ切りで勝ち上がってきた静清から1点を先制します。
その後、2点を加えた日大三島、5回2死満塁として6番永野陽大選手がサード強襲の内野安打で走者1人が生還。日大三島はこの回、四球を挟んで怒とうの7連打で一挙4点。8対0と完全に試合の主導権を握ります。
<ディレクター>
「静清、劣勢だが…」
<静清ファン 紅林理沙さん>
「何とか取り返してほしい」
ブラスバンドが奏でる『学園天国』に合わせて人一倍熱く応援をするのが静清高校応援団長の伊藤大智さん(2年)。野球部員です。ベンチメンバーに選ばれず悔しい思いをしましたが、スタンドから逆転を信じます。
<静清 伊藤大智応援団長>
「リードされていて苦しい展開だが仲間を信じて応援したい」
静清ナイン、そのエールに応えます。6回裏1死3塁から5番髙橋尚志選手がセンターへの犠牲フライを放ち、1点を返し、仲間の思いを力に変え一矢報います。
しかし、静清打線の前に立ちはだかった日大三島のエース松永投手。最終回も、三振を奪い、静岡の頂点まであと一人。最後のバッターをショートゴロに打ち取るとマウンド上で日大三島ナインの歓喜の輪が。
スタンドから息子の雄姿を見つめた松永投手の母映子さんは「まだ信じられない。甲子園への道ができたのであとは時間はないが、甲子園でみんなで春のセンバツのリベンジをしてほしい」とエールを送りました。
<日大三島 松永陽登投手>
「緊張もしていたがたくさんの応援のおかげで自分の力を出せたと思うのですごくうれしかった。1日でも多くこの仲間と野球をするために一戦必勝で甲子園で頑張りたい」
一方、敗れた静清、最後まであきらめない姿で勇気を届けました。
<静清ファン 紅林理沙さん>
「3年生は夏の大会が集大成になると思うのでこの瞬間ってもう一回同じことが起こるわけじゃないからこそ、少しでも多く記録として残したい思いで写真を撮った」
最後の1人まで熱い応援を続けた伊藤大智応援団長は、「負けてしまったが最後まで静清の野球はできた。来年は自分たちが日大三島に勝って絶対甲子園に行くので、これからも応援よろしくお願いします」と早くも新チームでの活躍を誓いました。
【決勝=草薙球場】
日大三島 110 024 000=8
静清 000 001 000=1
※日大三島は33年ぶり2回目の甲子園出場
【日】松永-野田
【静】久保、笹ヶ瀬、佐山、松下-松井
<二塁打>伊東(静) <三塁打>吉川(日)