参政党の神谷宗幣氏「参院選議席獲得は確信」…自民批判票の受け皿に 2023年統一地方選の党勢拡大にも意欲

参院選での議席獲得は「当然」と話す神谷宗幣氏=7月26日、参院議員会館の事務所

 7月の参院選比例代表で初当選した参政党の神谷宗幣氏(44)=福井県高浜町出身=が、8月3日召集の臨時国会を前に福井新聞のインタビューに応じた。比例の得票数が176万票(得票率3.3%)に達し、1議席を獲得したことについて、「自民党ではだめと思っている人が山ほどいることは分かっていた」と批判票の受け皿になれたとの認識を示した。党の立ち上げから2年、今後の党勢拡大に向け「来春の統一地方選は特に議員選挙で、一人でも多く候補者を出したい」と述べた。

 -参院選の受け止めは。

 「5、6月は党員が1日に2千人ぐらい増えた日もあった。順当なら3議席取れたと考えており、票数は納得していない。自民党に飽き足らない人があふれているのに受け皿がなかった。経済や人口減少、コロナ対策など、自民党ができていない部分をやる政党ができれば、当然議席は取れると考えていた」

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 -地方の活性化策は。原発の利用をどう考える。

 「福井を含め地方は1次産業が衰退している。学校給食は地元食材を基本とするなど法整備をし、食材が地域で消費される流れをつくる。コメの消費拡大も図る。政府は海外と競争すると言っているが、農業は競争してはだめ。食料危機が近づくと輸入が減り、価格が高騰する」

 「原発は不安を感じる国民も多いので、もう一度議論が必要。ただ高浜や大飯など既にある原発は安全性を担保しながら使っていくしかない。危険だからと使わず電力が不足するのも危ない」

 -来春の統一地方選の方針は。福井県は知事、県議会などが任期満了を迎える。

 「国民政党を目指しており、全国に地方議員を誕生させ地方の課題を吸い上げたい。参院選での地域別の得票を考慮するが、福井は比較的得票が多く知人もいるので、多く出す可能性はある。首長選はまだそこまで力がなく、今はあまり考えていない」

 -「ノーマスク・ノーワクチン」といった主張に陰謀論との批判や、熱狂的な支持にカルト的だと懸念の声もある。

 「マスクやワクチンは学識者の説明を聞いた対応で陰謀論ではない。公衆衛生を無視しているわけでなく、僕も飛行機では着ける。ワクチン接種も任意。自分たちの信じることをすればいいのではということ。候補者の発言を統制しなかったので、一部分を切り取られると極論に聞こえたかもしれない」

 「熱狂的だと僕たちも感じたが、洗脳の技法や宗教的なレトリックを使っているわけでは全くない。選挙が祭りのような形で熱狂を呼んだのかもしれないが、本来選挙はこうあるべきではないかとも思う。今までの政党が国民の関心を駆り立てられなかったということではないか」

 神谷 宗幣氏(かみや・そうへい)福井県高浜町出身。福井県立若狭高校から関西大学へ進み、卒業後は県立若狭東高校の常勤講師、実家の食品スーパー店長を経て関西大学法科大学院に進学。修了後の2007年に大阪府吹田市議となり2期務めた。その間、10年に保守系政治団体「龍馬プロジェクト全国会」を設立。12年の衆院選には自民党から出馬、15年には無所属で大阪府議選に出馬したがともに落選した。20年に政治団体「参政党」を結成するとともに、教育活動や農業を展開する目的で石川県加賀市に移住した。今回の参院選で政党要件を満たした参政党で副代表兼事務局長に就いた。加賀市在住。44歳。

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