弔旗強制で児童生徒に弔意押しつけは許されない

 全国教職員組合は28日までに、選挙応援遊説先の奈良市で射殺された安倍晋三元総理の追悼を「国葬」で行うことで「もしも学校を含む官公署における弔旗掲揚等が強制されるとすれば、子どもや教職員に弔意を押しつけることになる」とし「憲法第19条思想・信条の自由の保障に抵触し、個人の内心を統制することにほかならず、許されない」と児童生徒や教職員に弔意を押しつけることになる弔旗の掲揚などを求めないよう、談話を発表した。

 談話では「多くの国民は参議院選挙遊説中に銃撃され不慮の死を遂げた安倍元首相を追悼する思いを持ち、いかなる理由があろうとも暴力によっていのちを奪う行為を許すことができないと考えている」としている。

 そのうえで、「国葬は安倍氏の政治を美化し、故人への賛美を国民に強要することにほかならず、民主主義を損なうもの」と指摘。

 「岸田首相は国葬によって我が国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜くという決意を示していくと述べていますが、そもそも個人の死を政治利用することは厳に慎むべき」とも訴えている。

 また「現行法には国葬の規定はなく、1967年に吉田茂元首相の『国葬儀』が行われた例があるのみで『国葬』の実施はきわめて異例」「国民的な合意がないこともまた明らか」としている。(編集担当:森高龍二)

© 株式会社エコノミックニュース