五島の医薬品ドローン配送 拡大で連携 長崎大と「そらいいな」が協定

 長崎大は21日、五島で医薬品ドローン配送事業に取り組んでいる豊田通商(名古屋市)、子会社のそらいいな(五島市)と、広域ドローン物流網の実証、事業化における連携協力協定を締結した。改正航空法の施行を見据え、医薬品配送ネットワークの拡大による医療支援の強化を目指す。
 連携内容は▽五島市福江島を拠点としたドローン医薬品配送の推進▽オンライン診療・オンライン服薬指導と組み合わせた離島・へき地の医療支援▽搬送分野と搬送物品(血液製剤など)の拡大に向けた共同開発▽IT人材の育成-など。
 同大は2019~21年度、同市内などで患者、現地の総合診療医、薬剤師、大学病院の専門医の4者をオンラインで結んだ遠隔医療に取り組んだ。その中で、必要な医薬品が患者の手元にすぐ届かないという問題が浮き彫りになっていた。
 そらいいなは今年5月、福江島から奈留島へ向けて医薬品のドローン配送を開始。福江島を拠点に物流網を広げ、今年12月の改正航空法施行以降は、人の目の届かない距離で有人地帯を運航する「レベル4飛行」を申請する方針。
 前田隆浩同大学病院総合診療科教授は「レベル4飛行が可能になれば、オンライン診療を受けた患者の自宅まで医薬品を届けやすくなり、近所に薬局がない地域の患者の助けになる」と話している。

© 株式会社長崎新聞社