ふるさと納税で水質浄化 「ガラスの砂浜」で実演 大村市、本年度から事業

海中への設置作業を見学するサンコンさん(左)と園田市長(左から2人目)=大村市、ガラスの砂浜

 大村湾の水質浄化につなげようと、長崎県大村市は本年度から企業版ふるさと納税を活用した「大村湾SDGs(持続可能な開発目標)プロジェクト事業」に取り組む。7月26日は事業の委託予定先であるSanta Mineral(サンタミネラル、東京)によるデモンストレーションが、同市森園町の「ガラスの砂浜」であった。
 サンタミネラルは植物から抽出したミネラルを含むセラミックや人工サンゴを用い、水質浄化や二酸化炭素(CO2)を吸収・固定化させる技術を持つ。大村湾沿岸ではアオサの増殖、腐敗による悪臭が問題となっており、同社はこれまで市内で実証実験を実施。アオサの発生抑制などに一定の効果が見られたという。
 事業は10月から同砂浜と松山団地付近のいずれかで開始し、企業からの寄付額に応じて範囲を拡大させる予定。セラミックは海中に1年ほど設置し、長崎大や東京大と協力して追跡調査するという。

大村湾の水質浄化に使われるセラミックや人工サンゴが入った網

 デモンストレーションには同社の太西るみ子代表取締役や園田裕史市長が出席。セラミックなどが入った網を海中に固定する作業を見た園田市長は「この取り組みを大村から国内、世界に発信することで、全国の企業から支援してもらえれば」と話した。
 元外交官でタレントのオスマン・サンコンさんも、同社の技術を母国のギニアで役立てようと見学に訪れた。「人類のためにも良い取り組み。ギニアでは農業用水の改善につなげたい。これを機に大村市とギニアの都市が姉妹都市提携するなど、関係がより深まれば」と期待感を示した。


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