8月9日ホロコーストの犠牲 ユダヤ系哲学者の生涯たどる 長崎純心大博物館で企画展

ホロコーストの犠牲となったユダヤ系哲学者の生涯をたどる企画展=長崎市、長崎純心大博物館

 第2次大戦中の1942年8月9日にナチス・ドイツによるホロコーストの犠牲となった、ユダヤ系ドイツ人哲学者の生涯をたどる「エディット・シュタインとアウシュビッツ展」が27日、長崎市三ツ山町の長崎純心大博物館で開幕した。「8月9日、ともに平和を祈る日に」と、学生らでつくる平和活動団体「グナーデンベルク」が企画した。8月31日まで。入場無料。
 シュタインは、アウシュビッツ強制収容所のガス室で50年の生涯を閉じた。カトリックの修道女でもあり、98年に聖人、99年にはヨーロッパの守護聖人に。現在のポーランド南部にある同収容所跡で8月9日は「祈りの日」とされる。
 没後80年に合わせて開いた企画展では、ドイツのエディット・シュタイン記念館の協力を得て、写真パネルや関連書籍などを展示。長崎市内で活動後に同収容所で殉教したカトリックの聖人コルベ神父を紹介するコーナーもある。
 開会式にはドイツのマルティン・エバーツ駐大阪・神戸総領事らが出席。代表の江口凜さん(20)=長崎純心大3年=が「被爆とホロコーストという二つの人類史に残る経験をともに振り返り、平和を願う第一歩に」とあいさつした。
 企画展は日曜と8月13~16日を除く午前10時~午後4時。

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