串本でサプライズ花火750発 地元建設業者が企画

本州最南端の町の夜空を焦がしたサプライズ花火(和歌山県串本町の紀伊大島から撮影)=露光時間約50秒

 和歌山県串本町串本の串本漁港から7月30日の夜、約750発の花火が打ち上げられ、本州最南端の町の夜空に大輪の花が咲いた。この場所からの花火は3年ぶりという。

 地元の総合建設業「人見建設」の主催。同町では例年この時季、夏の風物詩として「串本まつり」が開かれ、漁港から打ち上げられる花火が地域住民や観光客らを楽しませているが、今年もコロナ禍の影響で3年連続で中止。そんな中、同社が事前に広く告知をしないサプライズイベントとして花火の打ち上げを企画し、午後8時から約10分間、5号玉などを次々と打ち上げた。

 市街地を望む紀伊大島の「くしもと大橋ポケットパーク」そばの展望台周辺でも、聞きつけた約20人が訪れて花火を観賞。部活の仲間たちと訪れたという串本古座高校2年の西野和希君(16)は「コロナ禍で花火大会がずっとなくて、今日は久しぶりに見ることができてとてもうれしかった。青春を味わえた」と笑顔を見せた。

 人見健一代表取締役(64)は「花火を見た人から『良かったよ、良かったよ』という電話も頂き、開催して良かった。少しでも夏の雰囲気を味わっていただけたのではないか」と話していた。

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