熱海土石流で残った“盛り土”撤去の措置命令 静岡県が新条例基づき発出 前土地所有者「あるまじき行為」と批判

静岡県熱海市の土石流の起点で崩れずに残ったままの盛り土の撤去をめぐり、静岡県が新しい条例に基づき前の土地所有者に対して、措置命令を発出しました。前の土地所有者は「あるまじき行為」と行政対応を批判しました。

静岡県熱海市で起きた土石流では、起点にあった盛り土が被害を甚大化したとされ、現在も不安定な状態の土砂がおよそ2万立方メートル残っています。

この残った盛り土の撤去を求めて、すでに熱海市が5月末に前の土地所有者に対して措置命令を出していますが、静岡県も7月施行された盛り土規制条例に基づき強制力のある措置命令を8月1日発出しました。

前の土地所有者の弁護士は、措置命令に先だって静岡県に反論の弁明書を提出していて、土地所有者が変わってから10年もの月日が経っているのに遡って条例を適用するのは、憲法違反などと主張しています。

前の土地所有者は、SBSの取材に対して「行政の対応には遺憾、あるまじき行為」と批判したうえで、「自分が土地を手放してから行政は実質的に現在の土地所有者に指導してきたのに自分への措置命令はおかしい」と話しました。

静岡県は前の土地所有者が命令に応じない場合、「行政代執行」に踏み切る方針です。

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