吉村洋文大阪府知事、北陸新幹線を「一気に新大阪まで」 早期全線開業実現大阪協議会、杉本達治福井県知事も初出席

北陸新幹線早期全線開業の重要性を訴える吉村洋文大阪府知事
北陸新幹線早期全線開業実現大阪大会に初めて出席し、あいさつする杉本達治福井県知事=8月1日、大阪市のリーガロイヤルホテル

 大阪府や大阪市、関西経済界でつくる「北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会」は8月1日、同市内で大会を開き、2023年度当初の敦賀以西着工などを国に働きかけることを決議した。吉村洋文大阪府知事は、東西2極の1極として関西が成長していく上で早期全線開業が重要だと強調し、来賓として初出席した建設促進同盟会会長の杉本達治知事は、年末の予算編成へ「大阪の皆さんに引っ張っていただき、北陸、信越地域で押し出し、沿線の力を政府与党に示したい」と訴えた。

 吉村知事は、新型コロナウイルス感染症の影響で痛んだ経済の再生や災害リスクを軽減するリダンダンシー(多重化)の観点から北陸新幹線の重要性を指摘。「敦賀以西の着工に向けて必要な手続きを鉄道・運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)に着実に進めてもらい、一気に新大阪まで整備を進めたい」と力を込めた。大阪府としても建設発生土の受け入れや市街地の用地取得などに力を入れていく考えを示した。

 大阪商工会議所の鳥井信吾会頭は、新大阪までの全線開業による年間の経済波及効果が2700億円に上ると説明。「北陸と関西は経済的にも歴史的にも文化的にも関係は一体。強靱で均衡ある国土形成にも不可欠な国家プロジェクト」と意義を協調した。

 あいさつに立った杉本知事は、全線開業による経済効果や交流人口増といった恩恵の9割は関西にもたらされるとし「北陸新幹線は8割の整備が終わったがこれからの2割が重要。残り2割が完成することで、整備効果は100ではなく120にも150にもなる」と訴えた。北陸新幹線建設促進沿線府県議会協議会会長を務める福井県会の大森哲男議長も出席した。

 決議では▽着工5条件を早期解決し、23年度当初に着工した上で一日も早く全線開業する▽施工上の課題を解決し、早い段階で地域に情報提供する▽駅の位置を早期に確定する▽財源の検討では過度な地方負担が生じないよう配慮する―の計4点を掲げた。

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 北陸新幹線早期全線開業実現大阪協議会は19年に設立され、同年から大会を開いている。今年は関係者約320人が出席した。

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