<南風>VMATとボランティア

 前回はペット同伴での避難所生活というものを想定してみようという話をさせていただいたが、実際の避難所で、私たちVMATがどのように行政と連携を取りながら運営していけるかもまだ不透明なところが多い。

 行政は当然、人命優先で動くことが責務であり、そうでなくてはならない。とはいえ全人口の30%弱という飼育率をみる限りではペットの存在を無視することもできない。

 一方で、私たちVMATができることは明らかに限られている。40名の隊員でカバーできるわけがないのだ。そのため、われわれVMATの力強い協力者として動いていただけるのが、ボランティアの方々である。

 こちらも登録制としてVMAT隊員に準じた講習を受けていただき、試験に合格した方に獣医師会からARS(Animal Rescue Supporter、災害時被災動物救護サポーター)として認定させていただき、有事の際にはご協力をお願いすることになる。

 この2年はやはりコロナの影響で募集と認定講習も中止していたが、ようやく本年度は開催のめどが立ち、来年の3月に試験が実施できる見込みである。その条件として9月からオンラインでの講習もスタートする予定なのでぜひ興味ある方はVMATのfacebookをフォローしていただき、最新の情報を入手していただきたい。随時更新、発信していく予定だ。

 このように広く世間に事実を知ってもらうための広報活動が、もう一つの私たちの任務である。この紙面での連載のご機会をいただいたことや、SNSでの発信やイベントなどへの参加を積極的に続けていきたい。

 もし、イベントなどでご一緒できる機会があれば、ぜひお声掛けいただき、獣医師会を通してご連絡いただけたらと思う。

(周本剛大、琉球動物医療センター院長 沖縄VMAT隊長)

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