発祥の地から神髄発信 「空手・古武術」保持者7人が奉納演武 沖縄空手世界大会

 敵意ではなく敬意を―。1日に開幕した第2回沖縄空手世界大会・第1回沖縄空手少年少女世界大会の開会式を前に、県指定無形文化財「沖縄の空手・古武術」保持者7人が豊見城市豊見城の沖縄空手会館で奉納演武を行った。厳しい鍛錬を修め、先達が育んできた技だけではなく、「平和の武」の心も体現する空手家たちの演武は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも配信された。

 演武は剛柔流範士十段・喜久川政成氏が「スーパーリンペー」、沖縄小林流範士十段・眞栄城守信氏が「松村のパッサイ」、古武道範士十段・伊波光太郎氏が「白樽の棍」、剛柔流最高師範・東恩納盛男氏が「転掌」、上地流範士十段・高良信徳氏が「サンセーリュー」、古武道範士十段・仲本政博氏が「前里ぬヌンチャク」、上地流範士十段・仲程力氏が「セーリュウ」をそれぞれ奉納した。

 大会実行委員会副会長で「沖縄の空手・古武術」保存会の会長でもある仲程氏は沖縄空手の目的を「勝つことではなく、負けない心、屈しない心を育み、自ら考えていく力を身に付けることだ」と説く。

 継承のために流派・会派の多様性の尊重と団結を挙げ、発祥の地に集結した後進たちに「平和を希求する沖縄空手の神髄が堪能できる大会になることを心から願っている」と期待した。

(文・安里周悟、写真・大城直也)
 

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