「長崎県ケアラー支援条例」制定へ 県がパブコメ募集、12日まで

 長崎県議会は、県民が孤立せず安心して介護や家族の世話ができるように、「県ケアラー支援条例(仮称)」を制定する方針を固めた。県に支援施策の推進計画策定を義務づける。来年4月施行を目指し、条例素案に対するパブリックコメントを12日まで実施。県民の意見を反映させた上で9月定例県議会に全会派、全議員で提案する。
 県議会事務局によると、全国では既に埼玉、茨城両県と北海道が同様の条例を制定している。
 条例制定は、県の責務や県民、事業者、関係機関の役割を明確化し、すべてのケアラーが健康で文化的な生活を送れる社会を実現することを目的とする。素案前文では、「家族が介護するのは当たり前」という根強い規範意識が介護者を孤立させ、悩みを抱え込む一因となっていると指摘。社会全体で支える仕組みを構築すると明記している。
 素案では、18歳未満の介護者を「ヤングケアラー」と定義。県が昨年度、県内の児童生徒を対象に実施した実態調査では、ヤングケアラーの可能性がある子どもが約300人いた。病気や障害がある家族に代わり家事などをしているため、勉強や部活ができないと回答している。
 素案は県議会ホームページで閲覧できる。パブコメは、住所、氏名、電話番号を明記し、郵送かファクス、メールで、〒850-8570 長崎市尾上町3の1、県議会事務局政務調査課(電095.894.3634、ファクス095.824.3094、メール=gikaigiji@pref.nagasaki.lg.jp)へ。


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