ワーケーション推進へ 和歌山県がメルカリと協定

県と包括連携協定を結んだ「メルカリ」の小泉文明会長(右から2人目)と「ソウゾウ」の石川佑樹CEO(右)。手前は仁坂吉伸知事=1日、和歌山県庁で

 和歌山県は1日、スマートフォン向けフリーマーケットアプリを運営する「メルカリ」(東京都)、同社のグループ会社の3者で、包括連携協定を結んだ。メルカリ社員を含めたワーケーション推進などを連携して進めていく。

 「メルカリ」と都道府県との協定は神奈川県に次いで2件目、市町村などを含めると約20自治体になるが、県が誘致を進める「転職なき移住」やワーケーションの推進を協定の項目に含めるのは初めて。

 協定締結式が県庁であり、メルカリの小泉文明会長と、アプリ「メルカリ」の新規事業の企画開発などを担うグループ会社「ソウゾウ」(東京都)の石川佑樹・最高経営責任者(CEO)、仁坂吉伸知事が協定書に署名した。

 メルカリの小泉会長はワーケーションの推進について「仕事と生活の両立はすごく大事になってくると思う。より和歌山県が選ばれるよう、支援したい」と話した。具体的な取り組みは今後協議していくが、移住セミナー実施などを検討している。

 コロナ禍で社員の在宅勤務が増えたのを受け、同社は昨年9月から、自身の生活様式に合わせ、働く場所や出社の有無などを自由に選択できる取り組みを始めている。同社でも、県の取り組みの情報を社員に提供するなどしていきたいとしている。

 県は2017年度、自治体で初めて「ワーケーション」推進の取り組みを始めた。協定締結式には、元総務省職員で県に出向していた際に「ワーケーション」を提唱した、メルカリ会長室政策企画参事の天野宏さんも同席した。

 このほか、協定では災害時にアプリを活用した義援金の受け入れ、課題解決型学習の連携などに取り組むとしている。「課題解決型学習」については、すでに南部高、紀北農芸高、和歌山商業高に協力し、生徒が作った加工品をネット販売する取り組みを始めている。

© 株式会社紀伊民報