松山踊り3年ぶり開催へ練習 「マスク姿でも頑張る」

熱心に練習する踊りフレンズ

 岡山県三大踊りの一つ「備中たかはし松山踊り」(同踊り保存会主催)が14~16日、高梁市中心部のJR備中高梁駅前大通りを会場に3年ぶりに開かれる。新型コロナウイルス禍で2年連続の中止となっており、370年余り続く夏の祭典の明かりを再びともそうと、踊り手たちは練習に励んでいる。

 会場に設けたやぐらの上で踊りをリードする「音頭保存会」(約30人)は6月上旬から週2回、高梁総合文化会館(原田北町)などで練習。7月20日には、太鼓や三味線の演奏、独特の節回しの口説きを繰り返した。

 手本を示す若手グループ「踊りフレンズ」(同)は美しい所作を披露しようと、反復練習。経験が浅いメンバーには、先輩が手や足の運び方を丁寧に教え、統一感ある動きを指導する。初参加の公務員(21)=同市=は「繊細な動きが多く緊張するが、地元高梁を盛り上げたい」と意気込む。

 コロナ禍で中止となった2020、21年は、一部のベテランがゆかりの神社で松山踊りを奉納した。

 今年は、感染対策としてマスク姿で踊ることになり、公務員(38)=同市=は「いつも以上に疲労感が増す。より体力をつけたい」と話す。開催時間も例年に比べ1時間短く、音頭保存会の山田功会長(77)=同市=は「制約はあるが、多くの人と一緒に踊れる楽しさを実感している。歴史ある行事を後世に伝えたい」と話す。

 県重要無形民俗文化財の松山踊りは地踊り、ヤトサ、仕組(しぐみ)踊りの3種類で構成される。

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