大型恐竜の足跡化石を千個超発見 ゴビ砂漠調査の岡山理科大が報告

調査で見つかったティタノサウルス類の足跡化石=モンゴル・ゴビ砂漠中央部(岡山理科大・モンゴル共同調査隊提供)

 6月にモンゴル・ゴビ砂漠で恐竜化石の発掘調査を行った岡山理科大が2日、岡山市北区理大町の同大で報告会を開いた。新型コロナウイルス禍で、調査は2019年夏を最後に中断していたため、今回が3年ぶり。9千万~7千万年前の地層から、大型植物食恐竜のものなど千個を超える足跡化石が見つかったことを説明した。

 中でも四足歩行していた大型の「竜脚類」のティタノサウルス類とみられる足跡は、計23頭分(推定全長約6~25メートル)が確認でき、最長で30メートルほど連続していた。ゴビ砂漠では初確認となる前足を含んだ歩行跡もあり、今後の詳しい調査で歩き方や姿勢の解明が期待される。ほかにもよろい竜・アンキロサウルス類などのものが含まれていた。

 ゴビ砂漠の調査は、岡山理科大がモンゴル科学アカデミー古生物学研究所と共同で、2015年から取り組む。16年には世界最大級、推定全長30メートルのティタノサウルス類のものとみられる足跡化石を発見した。

 今回の調査は砂漠南東部と中央部で実施。調査隊日本側代表の石垣忍同大恐竜学博物館長(古生物学)は「数が多くて種の多様性もあり、歩き方や歩行速度にとどまらず、当時の生態系の解明にも近づく貴重な資料が得られた」と述べた。

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