『スター・トレック』ニシェル・ニコルズさん死去、89歳 米黒人女優の草分け的存在

女優のニシェル・ニコルズさんが死去した。89歳だった。1966年に人気SFシリーズ「スター・トレック」で通信士のウフーラ中尉を演じ一躍有名となり、ハリウッドの黒人俳優として活躍した。

8月31日に息子のカイル・ジョンソンが、母ニシェルが30日に亡くなったことをインスタグラムで報告。「昨夜、私の母、ニシェル・ニコルズが老衰でこの世を去りました」「母の光は、今初めて見ることができる太古の銀河のように、僕たちや未来の世代が楽しみ、学び、インスピレーションを得るために輝き続けるでしょう」とコメントした。

「スター・トレック」でニシェルが演じた役柄は、米国のテレビシリーズで黒人女性が演じる最初の主要な役で、黒人女性が軍の司令官役を務める役という点でも、画期的な作品であった。また、共演者のウィリアム・シャトナーとのキスシーンは白人俳優と黒人俳優同士という点で、当時大きな注目を浴びた。

伝説の公民権運動家であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士に説得されて同役にとどまったと伝えられているニシェルはその後、『スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!』を含む多くの「スター・トレック」映画で再演した。

また、NASAと提携し、宇宙飛行士や科学プログラムに多くの女性や有色人種候補者を採用する活動も行い、アメリカ初の女性宇宙飛行士であるサリー・ライド氏の採用へと繋がったという。晩年は、2021年にロサンゼルス・コミコンに登場し、ファンとの交流を深めていた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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