諫早のソニー長崎TEC 増築の新工場 竣工 半導体生産を強化

点線の枠が5棟目新工場の増築部分。点線右側でさらに拡張工事が進んでいる=諫早市(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング提供)

 ソニーグループは、スマートフォンカメラ向け半導体「CMOS(シーモス)イメージセンサー」の生産拠点と位置付けているソニーセミコンダクタマニュファクチャリング長崎テクノロジーセンター(長崎TEC、諫早市津久葉町)の工場を拡張し、稼働させた。生産体制を強化し、世界市場に向けて高画質で高性能なイメージセンサーを供給する。現地で2日、竣工(しゅんこう)式があった。
 長崎TECでは昨年4月、5棟目新工場(6階建て延べ約4万8千平方メートル、うちクリーンルーム1万平方メートル)が稼働した。竣工したのは新工場の第1期増築部分(同約5万4千平方メートル、うちクリーンルーム1万3千平方メートル)。さらなる拡張工事に入っており、第2期増築部分(同約5万3600平方メートル、うちクリーンルーム1万3760平方メートル)は2023年後半の稼働を予定している。長崎TECの従業員数は約3200人(4月現在)。一連の拡張に伴う投資額や人員配置などは明らかにしていない。
 新型コロナ感染拡大防止のため、竣工式は関係者だけで実施。ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの太田裕治製造センター長は「成長機会を確実に捉えるために必要なのが将来のための設備投資。長崎TECも、モバイル向けイメージセンサーの量産を担う基幹工場として、果たす役割はますます大きくなっている」と述べた。
 スマホや車載用カメラなどに使われるイメージセンサーは国内では長崎や熊本など4拠点で生産し、ソニーグループによると、世界シェアは43%(21年度、金額ベース)でトップ。4拠点での月間生産能力実績は13万2千枚(22年度第1四半期)だった。


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