「ドジャースの声」ビン・スカリーが94歳で死去 2016年限りで引退

日本時間8月3日、67年間にわたってドジャースの専属実況アナウンサーを務め、アメリカ野球殿堂入りも果たしているビン・スカリーが94歳で亡くなった。同一チームで専属実況アナウンサーを67年間務めたのはプロスポーツ史上最長記録であり、ドジャース在籍期間としてはトミー・ラソーダに次ぐ史上2番目の記録となっている。2016年シーズン限り(88歳)で実況アナウンサーを引退。「20世紀で最も偉大なスポーツ・アナウンサー」と言われ、「ドジャースの声」や「ロサンゼルスの声」として多くの人々に愛された。

ドジャースのスタン・カステン球団社長は「我々はアイコンを失いました」とチームにおけるスカリーの存在の大きさについて言及した。そして「ドジャースのビン・スカリーはスポーツ界において、最も偉大なアナウンサーの1人でした。ブロードキャスターとしてだけでなく、人道主義者としての巨人でした。彼は人生を愛していました。彼は野球とドジャースを愛していました。そして、彼は家族を愛していました。彼の声はいつまでも私たちの耳に残り、心に刻み込まれることでしょう。彼は最愛の妻サンディと一緒になることを心待ちにしていたと思います。私たちはこの困難な時期に、彼の家族に思いを寄せ、祈りを捧げます。ビンは本当に惜しまれることでしょう」と語り、スカリーの死を追悼した。

スカリーは1965年のサンディ・コーファックスによる完全試合、1988年ワールドシリーズ第1戦のカーク・ギブソンによる代打逆転サヨナラ本塁打、1996年に野茂英雄が達成したクアーズ・フィールドでの史上唯一のノーヒッターなど、様々な名場面を実況してきた。スカリーの跡を継いでドジャースの実況アナウンサーを務めているジョー・デービスは、日本時間8月3日のドジャース対ジャイアンツ(オラクル・パーク)の試合中に「我々は史上最高の実況アナウンサーを失いました」と語った。

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