NFTの未来

NFTってそもそも何?

最近よく聞くNFTは、「Non-Fungible Token」の略。日本語では「非代替性トークン」と訳されることが多い。「非代替性」は “代わりがない” “唯一のものとして価値ある” もの、「トークン」は “暗号資産” を意味する。つまりNFTは、暗号資産の仕組みを利用した非代替性のデジタルな資産全般を示している。

暗号資産と同様にブロックチェーンの台帳記録で管理されているNFTは、単純にコピーされたものと区別することができる。絵画や有名人のサイン入りグッズなど一点物に特別な価値が付くのと同じく、NFTは一点物のデジタル資産なので、将来の「レアアイテム化」が期待できる。だからこそ今、投資先商品として注目が高まっているのだ。

暗号資産の仕組みは現在、あらゆる場面で利用されている。アーティストの絵画や造形物、最近は不動産売買の手段にも利用されるようになった。一方、NFTは非代替性であるが故に特別な法規制が定められておらず、決済手段として利用することができない。新しい投資対象物としてどのように運用することができるのか、正しく認識することが大切だ。

NFTの資産の種類

NFTの資産にはどういったものがあるのか。実際に現在流通している資産は主に4つに分類できる。

1. デジタルアート作品

NFTのメリットを生かしやすい資産として多く利用されている。アーティストは自分の作品をNFTのマーケットプレイスに出品し、流通させることができる。アメリカでは、ニューヨークの壁面に描かれたオードリー・ヘップバーンの作品が有名なストリートアーティスト、トリスタン・イートンによるブロックチェーン技術を応用した作品が瞬間的に完売したことが、大きな話題となった。

2. デジタル音楽作品

NFTアート作品同様に、自身で制作した音源・楽曲のデータをNFTマーケットプレイスに出品して販売することができる。DJ、音楽プロデューサーとして有名なスティーヴ・アオキとデジタルアーティストのアントニ・トゥディスコがコラボ作品を発表したり、世界的に人気なラッパーのスヌープ・ドッグやジャスティン・ビーバーがNFTコレクションを販売したりして高値で取引されている。

3. ライブチケット、スポーツ関連

ライブやイベントのデジタルチケットは、複製されないようにNFTの技術を利用して不正入場や高額転売を防止している。また、スポーツ界では記念チケットとしてNFTを発行するケースもあり、2022年4月末に始まったナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグでは開幕戦を記念したNFTが発行された。米大リーグ、大谷翔平選手のNFTも大きな注目を浴びている。

4. ゲームアイテム

NFTゲームでは、プレイヤーがゲーム内で稼いだ資産の所有権を明確にするために改ざんや不正が難しいブロックチェーン技術が利用されている。今、世界中で人気が高まっているのが “歩いて稼ぐ” ことができる「STEPN」。NFTで購入したスニーカーを装着して歩いたり走ったりすると、移動した分だけお金を稼げるゲームだ。

NFTの購入方法

NFTはマーケットプレイスで売買される。まずは自分に合ったアプリをダウンロードし、アプリ内通貨を準備。気に入った作品が販売開始されたら、オークションに参加するなどして購入する。ここでは、数あるマーケットプレイスから厳選していくつか紹介する。

Crypto.com

crypto.com

多くのクリエイターに利用されているマーケットプレイス。イラストレーションの売買が多い。

VeVe Digital Collectibles

www.veve.me

MARVEL、tokidoki、ディズニーやバットマンなど、有名なキャラクターのNFT作品が売買されている。

Coinbase NFT

nft.coinbase.com

暗号通貨の取引所として世界100カ国以上で事業展開するマーケットプレイス。最近はNFTも取り扱うようになった。

NFTの投資方法

NFT作品を購入したら、利益を生み出せるかどうかが気になるところ。NFT投資を成功させるコツとしては、以下の方法が挙げられる。

ただし、NFTを始める際に何よりも大切なのは、リスクをしっかりと理解してから投資すること。NFTは暗号資産同様に価格変動幅がとても大きい。人気が出たアーティストの作品の価格が急上昇することもあれば、ブロックチェーンの価格変動により大幅な損失を被ることもある。予期せぬ価格変動により大きな影響が出るということを常に意識して、取引に参加してもらいたい。

値段が上がったら売却

マーケットプレイスで売られているNFTの中から価値が上がりそうな作品を購入し、値段が上がったところで売却して値上がり益を得るのが一般的。将来的に値上がりが期待できる作品なのかどうかを見極める必要があるが、NFT投資方法としては一番簡単で参入しやすい。

自身のNFT作品を出品

アート作品や音楽、彫刻物など自分でコンテンツを制作できる人は、自身の作品をマーケットプレイスに出品して売却益を狙うことができる。自分で制作しなくても、制作を委託してできた作品を出品して販売することも可能。世界から注目を浴びれば、新たなトレンドを作ることも夢ではない。

NFTは新しい投資対象として大きな可能性を秘めており、投資家からの注目も高い。法整備の問題などがあるものの、市場は今後も大きく成長することが予想され、唯一無二の価値を保証するコンテンツが値上がりすれば大きな利益を手にすることもできる。まずはどんなものがNFTで流通しているかをマーケットプレイスでチェックすることから始め、気に入った作品が見つかれば投資してみるのが良いだろう。

NFT界で注目のアプリ「VeVe」創設者がおすすめコレクションを紹介!

シンガポールを拠点とする企業ECOMIが開発するマーケットプレイス「VeVe Digital Collectibles」の創設者であり、ニュージーランド在住のCEOデイビッドとCOOダンが、日本人におすすめのコレクションを紹介。NFT界の革命児として注目され、世界中にファンがいる2人が揃ってメディアに顔を出すのはとても貴重だ。

左がCEOのデイビッド、右がCOOのダン

お二人はいつ出会い、なぜVeVeを始めたのですか?

デイビッド:ダンと出会って25年近くになります。ダンに初めてショップのウェブサイトの制作をお願いして以来、お互いに連絡を取り合うようになり、いつしか親友となりました。5年前、アジアに滞在していたダンと暗号通貨やブロックチェーンについてディスカッションをしたんです。まず、デジタル通貨の保護に関する問題を解決するにはどうすれば良いかを考えました。ゲームやコレクターズアイテムの知識を持つ私たちにとって、NFTに関わることが将来の道を切り開くのではないかと考え、VeVeを始めることにしたのです。

そもそも、どうしてNFTに興味を持ったのですか?

デイビッド:私は25年以上、コレクターズアイテムの小売業に携わっています。ゲームコレクターズアイテムの小売から始めたことが、デジタルへのシフトに興味を持つきっかけとなりました。NFTの世界では、物理的なコレクションをいかにデジタル化するかがポイントです。新しいトレンドやメディアを生み出し、さまざまな形で収集家がコレクションを収集できるようにする。この変化を見ているのは、本当にワクワクします。

VeVe Digital Collectiblesにはどのような特徴がありますか?

ダン:VeVe Digital Collectiblesが他のWeb3のマーケットプレイスと異なる点は、コミュニティのあり方です。VeVe Digital Collectiblesでは、ユーザーが自由にコンテンツを制作できます。あなたが主役となり、スーパーヒーローになる物語を自分で作ることができるのです。

今注目のコレクションは何ですか?

ダン: VeVeで展開されているNFTコレクションには、素晴らしいものがいっぱいあります。なかでも注目なのが、Disney+で人気があるMARVELシリーズ『Loki』と、先月からスタートした世界中のファンを大興奮させている『スターウォーズ』です!

先日 、アメリカの人気番組『ジミー・キンメル・ライブ!』にLokiの俳優トム・ヒドルストンが登場した際には、司会者のジミーが「ディズニープラスでNo.1視聴率に輝いたね!」と話題にしていました。また、フロリダディズニーの50周年を記念して、ゴールデンモーメントもNFTで販売されました。もっとも盛り上がりを見せたのは、スターウォーズ初のNFTシリーズ。

スターウォーズのシリーズは人気キャラクターのソードから始まり、映画ポスター作品もコレクターが興奮した作品でした。そして世界中のファンを1番魅了したのは、NFT初のダースベイダーです。

デイビッド:これ以外にも7ドルから購入できるマガジンシリーズもあるし、日本のウルトラマンのNFTも人気がありますね。

今後、NFTはどのように変化すると思いますか?

デイビッド:デジタル資産の未来は物理的な世界と同じように、相互運用機能を持つようになるでしょう。セカンダリーマーケットだけでなく、ゲームやソーシャルなどさまざまなプラットフォームで相互運用が可能になります。 NFT技術は現在、個人の識別用途として導入されることも期待されています。将来的には車や家、運転免許証など、さまざまな業界で導入されることが予想されているのです。

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