10代孫に性的暴行繰り返す、男に懲役9年求刑「性欲のはけ口に」 大津地裁

大津地裁

 10代の孫への性的暴行を繰り返したとして、強制性交や強制わいせつなどの罪に問われた男の論告求刑公判が3日、大津地裁で開かれ、検察側は懲役9年を求刑した。判決は9月5日。

 検察側は論告で、被害者の証言について、「当時の心境を交えながらの証言で信用できる」とし、「長年にわたり自己の性欲のはけ口にしたばかりか、口止めし、家族関係を崩したくないという被害者の心情を利用してわいせつ行為を繰り返しており、酌量の余地はない」と非難した。

 弁護側は、小学5年だった被害者の体を撮影し所持した児童ポルノ禁止法違反の罪のみ成立を認め、強制性交などの罪は無罪を主張しており、「小学5年の時から体を触られ毛嫌いしていたのに、犯行時に被告の部屋のベッドに座っていたのは不自然」と指摘。犯行日や被告の自宅に行った経緯などの供述が曖昧で、検察側の立証は不十分と主張した。

 起訴状によると、男は2020年8月、県内の自宅で、当時14歳の孫の後頭部をつかむなどして脅迫した上で乱暴し、21年3月には下半身を触った、としている。

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