美浜原発3号機の原子炉起動に遅れ、放射性物質含む水漏れに対応 工程への影響は「精査中」

美浜原発3号機(手前)=2021年6月、福井県美浜町

 関西電力は8月3日、定期検査中の美浜原発3号機(加圧水型軽水炉、出力82.6万キロワット)=福井県美浜町=の原子炉補助建屋内で見つかった放射性物質を含む水漏れの対策のため、10日としていた原子炉起動が遅れる見通しになったと発表した。工程への影響は「精査中」としている。

 関電は水漏れの原因について、1次冷却水ポンプにつながる封水注入フィルター容器のふた部分のゴム製パッキンがはみ出ていたことと推定した。さらに詳しく調査するため、起動時期は見通せないという。

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 関電は1日、原子炉補助建屋内の床面に約10平方メートルの水たまりを発見したと発表。約7立方メートルの水を回収していた。容器は2020年9月に分解点検し、21年6月にパッキンを取り換えていた。

 美浜3号機はテロ対策施設の運用開始が早まり、10月としていた運転再開を8月に前倒し。10日に原子炉を起動、9月6日に営業運転を再開する予定だった。美浜3号機が運転再開すれば、電力の余力を示す供給予備率は8月が0.3%、9月は0.5%改善するとしていた。

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