石原海監督によるドキュメンタリー映画「重力の光 : 祈りの記録篇」が、9月3日より劇場公開されることが決まった。
「重力の光 : 祈りの記録篇」は、NPO法人抱樸（ほうぼく）の奥田知志が牧師を務める北九州市の東八幡キリスト教会に集う、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が演じるキリストの受難劇と、彼らの人生を織り交ぜたドキュメンタリー映画。フィリピンで戦争を経験した⼈、5回の服役後に極道から足を洗うも世間につまはじきにされた人、妻と子供が出ていき自暴自棄になって多額の借金を背負った人、路上生活をしながらも食える程度の稼ぎを得ていたが時代の流れの中でそれすらままならなくなった人、親や周りの大人たちに殺すぞと毎日言われ続けた人などが登場する。
監督は、ロッテルダム国際映画祭招待作品「ガーデンアパート」や英BBCテレビ放映作品「狂気の管理人」など、アートと映像の領域を横断してさまざまビデオ作品を手掛ける石原海。北九州に移住後、東八幡キリスト教会に通うようになった石原は、そこに集う人々の作品を作り上げた。フランスの思想家シモーヌ・ヴェイユの「重力と恩寵」から影響を受け、「祈ることで一瞬だけ重力から解放されてふわりと浮かぶことができる、その瞬間を祝福するように」と、キリストの受難劇と彼らの人生を織り交ぜた作品を完成させた。
30分のインスタレーション版が「第15回 shiseido art egg」に選出され、その後72分のドキュメンタリー映画として再編集された本作は、「第14回恵比寿映像祭」で上映された。その後、全国公開を目指して実施したクラウドファンディングで400万円を達成し、劇場公開に至った。
【作品情報】
重力の光 : 祈りの記録篇
2022年9月3日（土）、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
