東日本大震災で被災した宮城県の女性による手作りのバッグが、横浜高島屋(横浜市西区)で展示販売されている。住まいや仕事を奪われた女性たちの就労支援プロジェクトとして企画された畳が材料のバッグで、被災者の自立とともに伝統文化の発信への思いも込められている。9日まで。
紹介されているのは、和紙畳と縁の部分を使った「畳ヘリバッグ」。津波で被災した仙台市や気仙沼市などの女性3人が静岡県の畳バッグ作家國谷博子さんから技術を学び、手提げバッグと小型のサコッシュバッグを組み合わせて売り出している。赤や黒など斬新な色使いのタイプもある。
畳バッグに着目したのは、2014年から石巻市を中心に就労支援の「いっしープロジェクト」を続けてきた木村弥生代表(53)。「軽くて丈夫だが、布と違うので手縫いで仕上げる部分が難しい。コロナ禍と重なったこともあり、女性たちが製作技術を身に付けるのに2年半ほどかかった」と振り返る。
「Anqoo(アンクー)」というブランドを今年2月に立ち上げ、販路拡大を目指す中で今回の展示販売が実現したという。
木村さんは「もともとは私も被災地とつながりはなかったが、何かしなければと思い就労支援を始めた。被災した女性たちの新たな挑戦を応援してほしい」と呼びかける。6、7の両日は、木村さんによるトークイベントやワークショップが行われる予定(有料、要予約)。