ペネロペ・クルスがヴェネツィア国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したペドロ・アルモドバル監督作「パラレル・マザーズ」が、11月3日より劇場公開されることが決まった。
「パラレル・マザーズ」は、偶然同じ日に母となった2人の女性の数奇な運命、家族の愛と絆の新たな形を描いたドラマ。フォトグラファーのジャニスと17歳のアナは、出産を控えて入院した病院で出会う。ともに予想外の妊娠で、シングルマザーになることを決意していた2人は、同じ日に女の子を出産する。だが、その後に実施されたDNAテストによって、セシリアが実の子ではないことが判明。アナの娘と取り違えられたと疑うジャニスだったが、この秘密を封印してアナとの連絡を絶つことを選ぶ。それから1年後、アナと偶然に再会したジャニスは、アナの娘が亡くなったことを知らされる。
主人公のジャニスを演じるのは、アルモドバル監督のミューズであるペネロペ・クルス。本作では、答えの出ない問いを抱え続けるジャニスの複雑な心情を、揺れるまなざしで体現した。ペネロペの演技は高く評価され、昨年のヴェネツィア国際映画祭で最優秀女優賞に輝き、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、ロサンゼルス映画批評家協会賞など、数々の海外映画賞で主演女優賞を獲得。第94回アカデミー賞では主演女優賞に加えて、作曲賞にもノミネートされた。
想定外の妊娠に戸惑う17歳のアナ役には、長編映画2作目の出演となるミレナ・スミット。無垢なアナを繊細に演じている。そして、「母性本能がない」と自称するアナの母親テレサ役に、「マシニスト」のアイタナ・サンチェス＝ヒホン。アルモドバル作品ではおなじみのロッシ・デ・パルマも顔を出している。
監督は、自らの人生を投影した前作「ペイン・アンド・グローリー」で、引退同然の映画監督が再び創作に生きる力を取り戻すまでを描いたペドロ・アルモドバル。ライフワークでもある母の物語に戻り、同じ日に母となった2人の女性の数奇な運命と不思議な絆を描いている。アルモドバル監督はペネロペ・クルスが演じたジャニスについて、「緊張感やドラマがあり、これまでにないような主人公を描いた。ジャニスは、ペネロペが私の監督作やその他の作品で演じた中で最も難しい役であり、おそらく最も心を痛めた役だろう。結果として、彼女が演じる役はいつもそうだが、今回も本当に素晴らしいものだよ」と語っている。
【作品情報】
パラレル・マザーズ
2022年11月3日(木・祝)ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテ 他公開
配給：キノフィルムズ
© Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU
