再生への道のり着々 破綻のパン店「ベルベ」引継ぎ 横浜に3店舗目開店 

4日にオープンした「リベルベ日ノ出町店」の店内に立つ小嶋さん=横浜市中区

 昨年11月に一斉閉店したベーカリーチェーン「ベルベ」(大和市)の元社員たちが、再生への道のりを歩んでいる。4日には、新たに立ち上げたパン・洋菓子店「REBELLBE(リベルベ)」の3号店を横浜市内でオープン。さらに月内には、オンライン販売を開始する。ブランドと人材を引き継いだ新会社の経営は、長年のファンに支えられて軌道に乗りつつある。

 「再開してくれて本当によかったわ」。お気に入りのパンを次々とトレーに載せ、元常連の女性客(62)は声を弾ませた。

 4日に開業した「リベルベ日ノ出町店」(横浜市中区)は、京急線日ノ出町駅前の商業施設1階にある。昨年までベルベの店舗があったスペースに「再入居」した形だ。店舗面積を以前の半分ほどに削減し、賃料の抑制につなげた。

 「復活を望む声に応えられて、うれしい限り」。リベルベを運営するAz(アズ、大和市)の小嶋亮代表取締役(45)は、激動の9カ月を振り返って安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 1973年に大和市で創業し、一時は神奈川や東京などに28店を構えたベルベ。ベーカリーチェーンとしては県内屈指の売り上げを誇ったが、昨年11月に予期せぬ終幕を迎えた。

 社長の失踪、発覚した多額の債務、そして経営破綻…。社長の娘婿で、店長としてパン作りの現場を指揮してきた小嶋さんには青天のへきれきだったという。

 それでも、立ち止まらなかった。以前から独立構想を温めていたこともあり、わずか1カ月後の昨年12月には、元同僚ら約20人とアズを設立。旧店舗のオーナーに「再出店」を打診し、愛甲石田店(伊勢原市)と南大沢店(東京都)を相次いでオープンした。

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