水の事故を防げ!警視庁特殊救助隊が教える水難救助のポイント

8月に入っても東京都内は厳しい暑さが続いています。これだけ暑い日が続くと水遊びを楽しみたくもなりますが、気を付けなければいけないのが「水難事故」です。都内の各警察署ではこの時期、水難事故の発生に備えて救助訓練が行われています。先日、石神井公園のボート乗り場では、警視庁・埼玉県警・練馬区合同の水難救助訓練が行われました。訓練では警視庁の特殊救助隊の隊員らが講師となって、救助する時の注意点が伝えられました。今回はこの訓練の情報を基に、いざという時に役立つ情報をまとめました。

まず、水難事故の要救助者にAED=自動体外式除細動器を使う際の注意点としては「体に付いた水分を拭き取る」ことです。警視庁の特殊救助隊員は「水難事故だと体が濡れていることも考えられる。そのままAEDのパッドを付けてしまうと感電の恐れもあるので、体に付いている水分を必ず全部拭き取ってほしい。AEDバッグの中には(拭き取りのために)脱脂綿などが入っているし自分のタオルでも構わないので、必ず拭いてほしい」と話します。

また、「救命胴衣」を着用させる際は「しっかりと体に密着させる」ことが大切です。警視庁の特殊救助隊員は「ひもが緩いと救命胴衣が上がってきて脱げてしまう原因につながるので、体にしっかりと密着するように着てほしい。(救命胴衣は腰の周りだけでなく、足の方に回しても固定するため)股下の締め付けが緩いと抜けてしまう原因になる」と実演しました。もちろん、体のサイズに合ったものを着用するのも大事なポイントです。

最後に一番大切な心がけについてです。「要救助者を見つけた時に一番気を付けなければならないこと」は、二次被害を起こさないことです。二次被害の恐れもあるため、溺れている人を見つけたらまず落ち着き、発見した人自身は可能な限り水に入らずにできる救助をして、すぐに救助の専門家を呼んでください(電話:警察=110番,救急=119番,海の事故=118番)。警視庁の特殊救助隊員は「基本的に水に入るのは最後の手段。まず最初は呼びかける。それでも駄目なら、長いオールのような棒状のものを使って差し伸べてあげる。それでも駄目なら、マリンポーチ(ケースごと投げ込むと自動で膨らむ浮輪)のようなものを投げて引き込む。この順序を守る。なるべく自分は水の中に入らずに救助することを考え、実行してほしい」と話しています。

そして何より、こうした救助が必要にならないよう、危険な場所で泳いだり増水の恐れのある時には川に近づかないようにすることも大切です。

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