コロナ感染増で…都営バスが減便 129路線のうち8路線

新型コロナウイルスの感染拡大が東京都民の生活の足にも影響を与えています。必要な乗務員の確保が難しくなったとして、都営バスが8月4日から減便を始めました。

4日から都営バスは全129路線のうち、8路線を減便しました。錦糸町駅前のバス停には新型コロナの影響によるダイヤの変更を知らせる紙が張り出されています。

東京都によりますと、減便を発表した8月2日時点で乗務員2467人のうち57人が新型コロナウイルスの陽性に、さらに44人が濃厚接触者となり、運行に必要な人数の乗務員を確保することが難しくなったということです。都営バスが新型コロナの影響で減便を行うのは今回が初めてです。利用者からは「病院へ行くのに利用するから、本数が少ないと困る。でもコロナだからしょうがない」「急いでいる時は困るかもしれない。日本全体がこういう状況なので、落ち着くまでは仕方ないかな。みんなで協力するしかない」などといった声も聞かれました。

東京都は当分の間、減便を続けるとしていて、乗務員の感染が落ち着いた段階で通常のダイヤに戻すとしています。

<都バス運転手 感染拡大でも融通利かず>

新型コロナの影響で、都バスで初めての減便が始まりました。その背景には感染の急増だけでなく、都バスの運転手の雇用のルールも影響しているようです。

都バスの運転手は各営業所ごとに所属が決まっています。例えばA営業所でクラスターが発生して運転手が不足しても、B営業所からA営業所に何人かヘルプを出すということが制度上、簡単にはできないということです。東京都交通局の担当者によりますと、営業所ごとの感染者の状況はバラバラで、感染者の多い営業所の内部で、利用者への影響が少ない"もともと運行本数の多い路線”で減便したということです。仮にルール変更するにしてもまだ時間がかかるため、現状では「都バス全体」で融通することはできず、各営業所の中でやりくりするしかありません。

では、今回の減便はどれほど影響があるのでしょうか。

今回8つの路線では合わせて平日88本・土曜45本・休日46本が減便されます。路線への影響を実際の時刻表で見てみると、例えば大塚駅と錦糸町駅を結ぶ「都02系統」路線の場合、平日は1日を通して合計で5本の減便です。朝の通勤時間帯=7~8時台では両時間帯とも1本ずつの運休で、その結果の待ち時間も最大で10分程度です。現状ではそれほど大きな影響はなさそうです。ただし今後も運転手の感染が広がれば、さらに減便する可能性もあるということです。

新型コロナの対応では社会インフラへの影響を抑えることも大切となりそうで、早めの対応も求められそうです。

© TOKYO MX