宮城県気仙沼市、北九州市、長崎県壱岐市とカフェ運営会社がコラボし、3市の特産品を活用したカレーの販売が東京の「forucafe原宿店@WeWorkアイスバーグ」で始まった。地元でも行列ができるスイカなど、人気の食材を組み合わせた味わい深いメニューが仕上がった。(共同通信=中村彰)
販売しているのは「Connect Local カレーBowl~古代米のメカジキココナッツカレー スイカと夏野菜添え~」(1080円)。8月2日から約1カ月の期間限定だ。
使っている特産品は気仙沼のメカジキ、北九州のスイカ、壱岐の古代米とミディトマト、キュウリなどの野菜だ。
カレーはスパイス感満点。かといって、辛すぎることはなく「老若男女、幅広く楽しめます」とカフェの担当者は話す。隠し味はフィッシュソース。ユズをたっぷりと使っているので、サラサラと食べることができる。
メカジキはみっしりとした食感。古代米はかむほどに甘さを増す。
トマトは甘いのはもちろん、うまみに驚かされる。キュウリからは濃厚な野菜の香りが漂う。野菜をストレートに味わうため、ドレッシングはオリーブ油、塩、ビネガーだけという。
スイカはシャリシャリとした果肉から果汁があふれ出した。
気仙沼市はフカヒレで有名だが、生鮮メカジキの全国シェアは7割超。上品な脂乗りが特長だ。
カレーに使われる北九州のスイカは「若松潮風Ⓡプレミアム」か「若松クイーン」。プレミアムはカキ殻を肥料に使ったミネラル豊富な大玉。クイーンはラグビーボール型の小玉で、生育中にひっくり返して全体に日光を当てるなど、丁寧に作られている。どちらも、市外にはまず出回らないという。
壱岐は漁業、観光業に加えて農業が盛ん。米、たばこ、肉牛のほか、多品種の生産が行われている。通常のトマトは糖度が5―6程度なのに対し、使われるミディトマトの糖度は8以上。古代米は、赤米、黒米、緑米をミックス。弥生時代の環濠集落「原の辻遺跡」の近くで、アイガモ農法で栽培している。
3市とカフェをマッチングしたのは、ワークスペースやフレキシブルなオフィス事業を行っている「We Work Japan」(本社・東京都港区)。同社は民間企業と地方自治体を引き合わせ、社会貢献と地方創生を目指す事業「Connect Local」を展開。その一環で絶品メニューが誕生した。