草彅剛が「最後の〇〇」第4弾で相撲&伝統工芸を支える職人の信念や生きざまに迫る! 川栄李奈がナレーターを担当

NHK BSプレミアム・BS4Kでは8月12日に、「最後の○○~日本のレッドデータ~『草彅剛が迫る最後の技術 第4弾』」(午後10:00=NHK名古屋放送局制作)を放送。草彅剛がMCを務めるほか、川栄李奈がナレーターを担当し、ゲストで舞の海秀平が出演する。

番組は、唯一無二の職人の技、その地域だけに伝わる伝統の味など、今、日本で人知れず消えつつある数多くの「最後の〇〇」に着目し、草彅が職人たちの不屈の信念や生きざま、知られざる価値に迫る知的探求ドキュメンタリー。第4弾となる今回は、土俵、大銀杏、のぼりなど、国技である相撲を陰で支える職人と、伝統工芸に輝きを与える炭職人にスポットを当て、第69代横綱・白鵬の宮城野親方へのインタビューを交えながら、大相撲の伝統を守る職人たちの信念を紹介する。

まずは、「最後の大相撲の道具職人」に着目。現在、大相撲を支えるさまざまな道具が絶滅の危機に瀕している。力士のまげを結うために使う“すき油”は、独特のツヤと粘りを持つが、それは、島田陽次氏しか生み出すことができないという。また、“土俵のこも”を作る職人の酒井裕司氏は、自ら開発した技術とこだわりで神聖な舞台を守っている。さらに、のぼり職人の吉田稔氏は、手書きの文字に力士への思いを込める。

続いて登場するのは、「最後の駿河炭職人」の木戸口武夫氏。伝統工芸である輪島塗をはじめ、工業用品、アート作品に輝きを与える研磨用の炭・駿河炭は、木の繊維がミクロのレベルのため、天然のおろし金となり、素材を傷めずに磨き上げることができる。そんな最高品質の駿河炭を作る唯一の職人である木戸口氏は、山奥に分け入り、希少な原木を切り出すことから始め、3日3晩泊まり込みで炭を焼く。30代で脱サラし、炭焼きの道へ進んだ木戸口氏だが、認められる駿河炭を作るまでには、苦難の道のりがあったという。

さらに、日本各地の絶滅の危機にある郷土料理や、ご当地料理=“ゼツメシ”を紹介するミニコーナーも。富山・朝日町の“バタバタ茶”、愛知・津島市の“重箱うどん”、静岡・西伊豆町の“潮かつお”をピックアップする。

収録に臨んだ草彅は「シリーズ4回目の収録でしたが、今回の職人さんたちもすごく刺激的でした。こんな方がいるんだと楽しかったです」と充実感を漂わせる。相撲にも「最後の〇〇」となるものがたくさんあると知り、「日本の国技である相撲に関わる、あるものがなくなってしまうのかと。もう職人の方がいなくなってしまい、今残っているものでやっていることも知らず、ちょっと考えさせられる部分がありましたね。ちょうどそういう時代なんだなとも思いました。古きよきものがどんどんなくなり、職人さんの世代にも転換期。そこに僕らはいるんですね。だからこそ、大切にしなくてはいけない時であり、新しく構築する時代なのかなと思わせてくれました」と心境を明かす。

加えて、相撲にちなんで、草彅にとって“土俵際に立たされた”経験について尋ねると、「今ですね(笑)。上手にコメントを言わなくちゃいけないというプレッシャーが。番組の面白くて深い感じを分かりやすく伝えるか、土俵際に立たされている感じです(笑)」とちゃめっけたっぷりに語り、笑顔を見せた。

続く、炭焼き職人の木戸口氏の話を通して、「職人の方は、感謝の気持ちを忘れずに、すごいものを作られています。もっと天狗になっていいのではないかと思うんですが、誰一人そういう人がいない。そういうところも職人さんに憧れます」と率直な気持ちを口にし、「皆さんの根底に流れている感謝の気持ちが共通している気がします。だから僕は職人にはなれないんだなと。『全部つながって、自分がその仕事に就けている』と口にされるんですよね。自然の中で逆らわず、黙々と自分の作業を突き詰めている。そんなコメントを聞けたのが印象的ですね」と振り返る。

また、第2の人生を炭焼きに懸けたという木戸口氏の経験から、草彅自身が第2の人生で取り組むとしたら、「デニムを作ってみたいですね。デニム職人としてオリジナルデニム作り、ビンテージのような風合が出せるよう作ってみたいなと思いますが、いや、無理ですね。もの作りって関係性を築かなくてはいけないと思うんです。デニムの世界も厳しいと思うので、僕が急に行っても門前払いですよ。すぐに結果が現れるもんじゃない」と道を極める難しさを述べる。

そして最後に、「自然の中で逆らわず、黙々と自分の作業を突き詰めている職人の方々に会うと、僕自身も前向きになれます。すぐに結果が現れるものではないところで、コツコツやっている職人さんの姿は、番組を見てくださる方々の人生にも何かヒントになるんじゃないかなと思います。“職人魂”を受け取ってください」とアピールした。

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