おいでやす小田、久保史緒里にツッコミさく裂!「ちょっと待ておい! 終わりや!」――「塩介と甘実〜―蕎麦ができるまで探偵―」インタビュー

動画配信サービス・Paraviでは、「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(TBS系)の Paraviオリジナルストーリー「塩介と甘実―蕎麦ができるまで探偵―」を7月15日から独占配信中です。

物語の舞台は、塩崎啓介(おいでやす小田)が働く「そば処 塩崎」。石子こと石田硝子(有村架純)と羽男こと羽根岡佳男(中村倫也)が本編でトラブルを解決する様子にひそかに憧れている塩崎は、店を訪れた客の悩みを推理で解決しようと奮闘。さらに、客のトラブル解決のために塩介と一緒に推理をする、真面目で頭が良く清楚な見た目ですが、実は口が悪く毒舌な東大法学部に通う女子大学生・甘露果也実を乃木坂 46・久保史緒里さんが好演しています。

今回は小田さんと久保さんのお二人に、本作の見どころはもちろん撮影でのエピソードや、解決したい悩みについて語っていただきました。初っぱなから笑いが止まらないインタビューをお楽しみください!

――撮影で印象的だったことや、共演した感想をお聞かせください。

小田 「本作で、ほんまにしーちゃんのイメージが変わりました。演技がすごくて、まじで泣きそうな時あります」

久保 「そんな感動するようなシーンありましたっけ!?」

小田 「感動じゃないよ! セリフでめちゃくちゃ冷たいこと言うやん! 何をええようにとってんの!」

久保 「そっちでしたか…! すみません(笑)」

小田 「めちゃくちゃ怖い時あるからね。世間の久保史緒里のイメージが絶対に変わると思います。もちろんめちゃくちゃいい子で、普段はおっとりした方ですけど、撮影中はそれを忘れるぐらい入り込んでるから、もうびっくり。これはほんまに見てほしいな」

――厳しめなセリフもありますもんね。

小田 「そうなんです。事前に台本では読んでいたので、なんとなくしーちゃんだったらこんな感じかなって想像していたのですが、全然違いました」

――久保さんはいかがですか?

久保 「小田さんとはバラエティー番組でしかご一緒したことがなかったので、 お芝居でご一緒させていただけるのをすごい楽しみだなと思っていました! 小田さんは本当にものすごく真面目な方で…」

小田 「うーうん(と、首を横に振る)」

久保 「(笑)。営業妨害かもしれないけど、本当に真面目なんです」

小田 「うん、営業妨害ですね(笑)」

久保 「空き時間もずっと台本と向き合ってて…」

小田 「あれ中身は白紙なんです、実は」

久保 「自分から共演者の方にも声を掛けて、ここちょっと合わせてもらえますか?っていう相談もしているんです」

小田 「不安だから確認したいだけで、本当は全然…(と諦めたように少し認める小田さん)」

久保 「だからこそすごく安心感があります。一緒の時は任せきりな部分もありますが、楽しくやらせていただいています」

おいでやす小田が物申す!?「これ台本見てほしいわマジで!」

――台本では、セリフの途中で次のセリフが入ってくるように…。

小田 「(記者が質問を言い終わる前に)それ言ってくださいもっと! これ台本見てほしいわマジで! あれ、めちゃくちゃでしょ?」

――ずっとそんな感じのシーンもありますよね…(笑)。

小田 「そうなんすよ! ちゃんと言い切らせてほしいですよね。このセリフのこの文字ぐらいで次の人が入ってきてとか、覚えるのも大変です」

――撮影も大変そうですが、どれぐらい練習して臨んでいるのでしょうか? お二人で事前に合わせたりしていますか?

小田・久保 「やってないですね」

小田 「最初の段取りの時に合わせてみて、そこで合わへんかったところを調整したりしてるっけな…。すみません、たくさん撮影しているからか、ちょっと記憶が飛んでます…(笑)」

――(一同爆笑)

久保 「でも、合わなかったことあんまりないですよね!」

小田 「そうですね。意外とスムーズで、大体の呼吸は合っている感じがします。久保さんもバラエティー番組で鍛えているので慣れてるのか、掛け合いみたいなのは上手やなと思います」

久保 「 小田さんはやっぱり大変そうです。ゲストのキャストさんによっては食い気味でセリフを言う方もいらっしゃいますし、全然しゃべらせてもらえなかったりして。昨日もすごかったですよね」

小田 「すごかった! 『いや、そのね』と僕が言い終えたら相手がしゃべる段取りなのに、言い終えても入ってきてくれなくて。僕がしゃべり続けていたらいいんですけど『いや、そのね』しか頭に入ってないし、台本上のセリフも途中で終わっているので、変な間ができたりしていました(笑)」

久保史緒里が出演を懸けて戦った相手は、まさかのお肉!? 新井プロデューサーとの珍エピソードを披露!

――ちなみに、小田さんは本作がドラマ初主演とのことですが、オファーが来た時はどう思われましたか?

小田 「楽屋で『やった〜!』(と、叫んで)って言いました(笑)」

久保 「すごい声量…(と笑いながら小声でつぶやく)」

――本編に加えスピンオフにも出演するとなるとセリフの量も増えますが、そのあたりの不安はなかったのでしょうか?

小田 「 不安はありました。でも、ありがたい気持ちでいっぱいで、ほんまに全力でやらせていただいて、迷惑がかからないように頑張ろうと覚悟しました。本編はそこまでですけど、Paraviの方はオファーの段階から『すごいセリフ量です』って言われていたんです。でも、だからこそ挑戦したいなと思いました。マイナスな気持ちには全くならなかったです! どんな量でもぜひやらせていただきます!みたいな感じでした」

久保 「私の場合は、自分に決まると思っていなかったので驚きました。監督と新井順子プロデューサーにお会いして読み合わせをしてからだったのですが、その時に確実に落ちたなって思ったんです。それこそ小田さんが主演というのを聞いて、ぜひご一緒したいなって思っていたので、 すごい悔しくて。めちゃめちゃ落ち込んでました」

小田 「え、なんでダメだと思ったの?」

久保 「同じセリフを2パターンで言ってください、という指示があったのですが、自分の中でその変化を全然出せなかったんです。あとは、マネジャーさんが私が載っている雑誌を持って行ってくださって、それを新井さんも読んでくださっていたのですが、私が載っているページよりも、お肉が載っているページに夢中になって『おいしそう!』って言ってらして(笑)。これはもう完全にないなと…」

小田 「ちょっと新井さ〜ん!(と、思わず大声で)。きっと新井さんの中では早々にしーちゃんに決まってたから、肉にいってたんやな!(笑)。本当にぶっ飛んでる人だなぁ!」

久保 「お肉の感想しかなくて焦っていたので、決定の連絡をいただいた時はものすごいうれしかったです。お肉に勝ちました!(と、笑顔を見せる)」

――その新井さんに先日、取材をさせていただいて…。

小田 「あ、あの奇人に…(笑)」

――(笑)。その際、新井さんが「小田さんが真剣にやっているのに、スタッフから笑われて不安そうな顔をしている」とおっしゃっていたんですけど、現場では実際どんな雰囲気なのでしょうか?

久保 「よくありますよね」

小田 「本当にね〜、ダメですよ笑っちゃ、マジで! 特にタイトル言うシーンの撮影。一番キメキメでやるシーンだから、頑張ってセリフをためて思い切りよくお芝居するのですが、いざやったら『ハハハ!』みたいな。ちゃうやんか、そう台本にも書いてるからやってんのに! しかも、その笑いの後に『OK!』って言われて、なんやねん、そのOKって!ってなってます。真剣にやってるのにこっちは(笑)。もちろん放送されるものにはスタッフさんの笑い声は入っていませんが、裏ではそんな感じですね」

――なるほど。小田さんの言い方が面白いとのことで…。

小田 「面白くないよ! ちゃんとやってんねんもん! コメディーの部分と、キメの部分の差をつけるために頑張ってキメにいったのにコメディーっぽくなってしまっているのは、ちょっと恥ずかしい気持ちもあります。個人的にはシリアスなシーンも楽しいですし、そこに笑いをぶち込もうとは全く思っていなくて。だから頑張ってシリアス寄りに持っていこうとしてるのに、なぜかスタッフ全員でコメディーに戻される…(笑)」

――笑いの絶えない現場の様子が伝わります! そんな現場だと撮影中に笑いをこらえるのが大変そうですね。

久保 「そうなんです。この前、小田さんが乙女なポーズでお客さんがそばを食べるところを見守るというシーンがあったんです。最初は片手で頬づえをついていたんですけど、監督から『もっとかわいく!』ってリクエストがあって、両手で頬づえをつく演出になったんです。そのシーンは、後ろに絶対に私が映る撮影だったので、それはキツかった…。あ、いや、キツかったていうのは…(と、慌てる久保さん)」

小田 「ちょっと待ておい! 終わりや! もうやってかれへんわ!『キツかった』はあかんわ!(と、傷つくそぶりを見せる小田さん)」

――(一同、この日一番の大爆笑)

久保 「違うんです! 完全に言い方を間違えました! 小田さんがキツかったのではなくて、笑いをこらえるのがキツかったんです!(笑)」

小田 「ほんまか〜!?」

久保 「本当です! 小田さんはめちゃくちゃかわいかったですよ!」

2人の悩みは“そばができるまで”に解決できる…?

――本作は悩みや謎を解決していく推理コメディーですが、お二人が今解決したい悩みはありますか?

小田 「なんかあったんだけど思い出されへんな。ちょっと待って。多分仕事のことだと思うんだけど…(悩みを思い出せず頭を抱える)」

久保 「私は、人見知りが激しくて新しい現場に入るのが本当に苦手なのが悩みです。苦手と言いつつ、なんだかんだなじんでいける人の方が多いと思うのですが、私の場合は挙動不審になっちゃうというか…。緊張しすぎて会話が成り立たないくらいなので、それを改善したいです」

小田 「分かる。僕もなるよ。けど、挙動…不審…(と斜め上を仰ぎながら)」

久保 「小田さん、今、絶対ご自分の悩みを思い出そうとしてますよね!?(笑)」

小田 「ごめんごめん!(笑)。あ、僕はね、機械音痴でアナログ人間なのが悩みです。スマホは一応持ってますけど、交通系ICカードも2018年に東京に出てきてから初めて作ったんです。それまでずっと切符で乗ってたので、これからの時代に乗っていけるのかどうか怖いですね。あ、なんか重いトピックになってもうた! これはそばができるまでには解決できないわ!(笑)」

――では、最後に本作の見どころをあらためて教えてください!

小田 「第1話、2話を見させていただいたのですが、面白い編集にしていただいているなと感じました。テロップとか効果音とか。シリアスになりそうな場面も、面白く温かく仕上がっています。あっという間に終わってしまって、次が気になるような作品になっていると思います。展開も早いし掛け合いも面白いので、見始めたら一気に見てしまうと思います!」

――注目してほしい本編との違いはありますか?

小田 「やっぱり…(とためて)、しーちゃんの狂気…」

久保 「そんなにためなくても(笑)」

小田 「たまに夢に出てくるんちゃうかっていう目つきもあるので、そういうしーちゃんの演技にも注目して見てほしいですね。とんでもない冷たい目してる時あるから!」

久保 「本作は、カット数がすごく多いのが印象的です。撮影もいろいろな角度から撮っていただいていて、探偵モノみたいな要素もあって、とても見応えがあります。舞台はおそば屋さんの中なのですが、台本にも調停パートって書かれていたりして、本当に調停が行われているような立ち位置だったり、カットがすごく入っているのが面白くて、皆さんにも楽しんでもらえると思います!」

写真撮影中には、久保さんの人見知り問題に関して、「僕も挙動不審になっちゃうから分かるよ。相手も緊張してるんじゃないかなって考えると少し楽になるよ」と優しく声をかけアドバイスをしていた小田さん。2人で一緒にキレるポーズを見せるなど、息のあった様子を披露してくれました! さらに、「何かポーズをつけてください!」というカメラマンのリクエストに、小田さんが壁に腕をかけてキメキメのポーズをしてくれたのですが、そば屋さんの格好をしているからかコミカルな部分が拭えず、スタッフが声を上げて笑うと、「いや、笑っとるやないかい!!(笑)」と、小田さんからキレのいいツッコミをいただき現場は大盛り上がり。終始笑いの絶えない取材となりました。

【プロフィール】

おいでやす小田(おいでやすおだ)
1978年7月25日生まれ、京都府出身。NSC大阪校23期を卒業後、何度かのコンビ解散を経てピン芸人に。2016年から20年まで5年連続で「R-1ぐらんぷり」決勝進出を果たした。17年、京都府文化観光大使に就任。「M-1グランプリ」にはピン芸人同士でユニットを結成して挑戦を続け、20年にこがけんとのコンビ・おいでやすこがで決勝進出を果たした。主な出演ドラマは「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜」(日本テレビ系)、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」など。現在は「彼女、お借りします」(ABCテレビ・テレビ朝日)に出演中。


久保史緒里(くぼ しおり)
2001年7月14日生まれ、宮城県出身。O型。かに座。16年、「乃木坂46 3期生オーディション」に合格してデビュー。20thシングル「シンクロニシティ」にて初の選抜メンバーに。21年4月には「クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術」で連続ドラマ初主演に抜てきされ、「Seventeen」専属モデルを務めるなど、あらゆるフィールドで活躍。22年9月には主演舞台「桜文」がPARCO劇場にて上演、11月には主演を務める映画「左様なら今晩は」、23年には映画「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」の公開が控えている。

取材・文/TBS担当 A・M 撮影/蓮尾美智子

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