「こういった建物を作ってよかった」電気使用料9割カットも 自然の力で快適オフィスが誕生【SDGs】

使っているのは地下水などの自然の力。エアコンを使わないで、一年中快適に過ごせる省エネオフィスが誕生しました。

<清水英之記者>

「午後2時です。太陽が照り付けています。温度は34.4度、非常に暑いです」

「室内に入ってきました。27.2度、暑すぎず寒すぎず快適な温度です」

静岡県浜松市の総合建設会社・常盤工業です。2022年1月に完成した新社屋は、エアコンを使わず、この涼しさです。

<清水記者>

「これが今日の主人公ですね。どうなってますか?」

<常盤工業 髙橋脩夫さん>

「このなかに地下水を利用した冷水が通っています。」

<清水記者>

「触ってもいいですか。冷たいですね。」

<髙橋さん>

「これ全部ですし、階段の下にもありますし壁を見て頂くとこちらも至る所にあります」

地下水を利用して、室内を冷やしています。

<清水記者>

「今は何℃?」

<髙橋さん>

「19℃」

<清水記者>

「地下水が19℃」

<髙橋さん>

「パネルに送られているのが12.4度」

夏は地下水を電気で少しだけ冷やし、循環させています。一方、冬は太陽のパワーを利用します。屋根に並んだこの機械で水を温め循環させ、室内を暖めます。

この日、地元の小学生がオフィスの見学に訪れていました。省エネの工夫が外壁にもありました。

<参加した小学生>

「中が空洞になっていると思う。コンクリートだとは思わない」

叩くとコンコンと軽い音がする壁…使っていた素材はー

<髙橋さん>

「何これ?」

<参加した小学生>

「発泡スチロール」

<橋さん>

「何かというと外断熱断熱材を外側にしています」

<清水記者>

「壁に発砲スチロールを使っているなんて思わなかったでしょ」

<参加した小学生>

「そんな役割を持っているとは知らなかった」

「考えた人がすごい」

外の暑さを通さずに、室内の冷えた空気は逃さない…建物を外断熱で覆えば冷暖房の効率が上がります。

<髙橋さん>

「省エネ法の基準建築物という基準があるんですけれどもそれを100としたときですねウチの建物は約10%しか(電気を)使用していない」

従来のように電気を使った同じ広さのオフィスと比べ、電気使用量が9割カットできるとは驚きです。天井にも大きな窓を取り付け、自然光がオフィスに注ぎます。

オフィスでは必要最小限の照明しか使用していません。

<髙橋さん>

「すごくなんて言うんでしょうか。自然を感じるというか自然エネルギーを使っているだけに。子どもたちの素直な反応をみると我々もこういった建物を作ってよかったと思いますし、また伝えることの大切さをひじょうに感じます」

地元の小学生も驚く、自然エネルギーを最大限に生かしたサステナブル=持続可能なオフィスが浜松市に誕生しました。

© 静岡放送株式会社