斎藤佑樹からこの夏、頑張っている人への手紙‥「夏のお手紙キャンペーン」スタート

日本郵便が、元プロ野球選手の斎藤佑樹(株式会社斎藤佑樹 社長)を主役とした日本郵便「夏のお手紙キャンペーン」を、2022年8月6日(土)からスタートする。

日本郵便「夏のお手紙キャンペーン」は、学生時代から人生を野球にかけ、昨年プロを引退し、新たな形で野球の魅力を発信する立場になった斎藤佑樹が、この夏、頑張っている人に向けて手紙を贈ることをテーマにしている。
今回、この夏、野球に打ち込む人に向けて、野球の世界では先輩となる斎藤佑樹が、ただ応援だけではない、栄光も挫折も味わった自身ならではのメッセージを、直筆の文字で手紙に綴った。

日本郵便「夏のお手紙キャンペーン」では、この手紙をモチーフにした新聞、ラジオCM「一枚の応援歌」、インターネットなど各媒体での広告や、斎藤佑樹がこの手紙を綴る模様を収録した動画「一枚の応援歌/声 篇」(30秒)、「一枚の応援歌/手紙 篇」(60秒・120秒)を制作し、2022年8月6日(土)から順次展開する。
日本郵便はこのキャンペーンを通じて、さまざまな思いや気持ちを豊かに伝えられる、「贈り物」としての手紙の素晴らしさを伝えていく。

◆日本郵便「夏のお手紙キャンペーン」特設サイト

【日本郵便「夏のお手紙キャンペーン」 斎藤佑樹の手紙 全文】

この夏にすべてをかける君へ
暑い日が続きますが、体調など崩していないでしょうか。
体格も投げかたも似ている、そして夢が叶うことを1ミリも疑っていない君と
出会ったときから、僕はずっと、16年前の自分を重ねていました。
その夢は、きっと叶うよ。とは、僕は言いません。
勝負はわからないから。おなじ夢を持った人たちのぶつかりあいだから。
ただ、 今のまっすぐな君のまま、どうかこの夏のマウンドに立ち続けてください。
これから先、グランドでもグランド以外でも、君をいろんな出来事が待ち受けています。
僕のように、不安だらけの時期を過ごし、挫折を味わうこともあるかもしれません。
それでもなんとか前を向くために必要なもの。それは、記憶だと思います。
過去の栄光、だなんて言われることもあるけれど。
最後まで闘い抜いた記憶は、未来を生きる大きな力になります。
なんて、大舞台がすぐそこだってときに、先の話なんてされたくないか。
この夏、いちばん速い球を投げるのは、君じゃない。
いちばん熱い球を投げるのが、 いちばん強い球を投げるのが、
なんだかいちばん凄い球を投げるのが、 君であってほしいと思っています。
今から君の過ごす夏が、君を一生奮い立たせる夏になりますように。
よし、 頑張れ。
2022夏 斎藤佑樹

【日本郵便「夏の手紙キャンペーン」 斎藤佑樹インタビュー】

―どんなことを思いながら手紙を書いていましたか?
一番は自分の現役時代を思い返しながら書いていましたね。自分が野球をやった時ってどういう気持ちでやっていたかなとか。今の学生ってどういう気持ちで大会に挑んでいるんだろうとか。そんなことを考えていました。

―書いていて一番伝えたかったパートはどこですか?
最初から最後まで本当に気持ちを込めて書ききったので全部伝えたいんですけれど、その中で強いて挙げるとするならば、やっぱりこの先、色々な事が待ち受けているけれど、でもそれはどうにでもなるよということですかね。自分が最後まで戦い抜いた過去と、過去の記憶は、きっと自分が生きるこれからの糧になるから、そこを一番伝えたいですかね。

―記憶という言葉がキーワードになっていると思うんですが、どういう思いがこもっていますか?
もちろん優勝という良い記憶もあれば、その後なかなか活躍できなかったり怪我をしたりという記憶もありますが、でもその記憶って全部僕自身の大事な記憶なので、それがあったからこそ今何とか前を向けて頑張っていけているという事をすごく感じています。だから良い記憶も嫌な記憶も全部自分の糧になっているなっていう感覚ですね。

―やっぱりここぞ、という時には、その球は違ったものになるんですか?
ボールを数値で計れば変わらないかもしれないですけど、やっぱりバッターに対して見えない力は絶対に働いていると思いますし、その気迫というか、自分から発するエネルギーみたいなものはボールに乗っているかもしれないなと思って、僕は投げていました。

―野球の面白さって、なんでしょう?
僕もそれは本当にずっと考えていて、やっている選手は勝ち負けの勝負っていうのがすごく楽しい瞬間ではあるんですけど、でも今野球選手を引退して感じることは、野球で繋がったご縁ってたくさんあったなと思って。野球が繋いでくれたご縁によって僕は今色々な方に支えてもらって生きているので、その面も含めて、だからこそ野球ってすごくいいなって思っています。

―悔しい思いもいっぱいしましたね。
悔しい思いもたくさんしました。けどでもその分だけ得られたことも大きかったかなと思いますね。

―怪我をした時に心ないことを言われて、どんなお気持ちでしたか?
最初はすごく嫌でしたね。ただ、自分が向き合うべき人達って身近にいる人だったりチームメイトだったり、やっぱり近くにいる人たちを大事にしたいと思っていたので。そうすると周りの、外野の声っていうんですかね。そういうものは聞こえなくなっていきました。自然と。

―また現役時代に戻りたいと思うことはありますか?
今は思わないですね。やっぱりいいことも経験できたし、嫌なことももちろんあったし。でもその中で野球をプレーするっていうことに対してはやりきったと思っているので、それだけ野球と向き合っていたと自分では思っているので、だからこそ今はまだそんなふうには思わないですかね。

―学生時代に優勝した時と、怪我をしてどん底で苦しかった時、どちらが自分にとって大事な経験だと思いますか?
優勝した記憶も、怪我で投げられなくて結果が出なかった記憶も、セットだと思っています。このセットがあるからこそ、今の僕っていろんなことを感じられて、吸収できて、勉強できているっていうのをすごく感じるので、どっちという優劣をつけることがすごく難しいですね。この2つがセットで斎藤佑樹だって思っています。

―誰かに言われて今でも大事にしている言葉ってありますか?
栗山監督にずっと言われ続けてきたことで、がむしゃらに泥だらけになってやりなさいと。そのことは引退した今でも、それを胸に思ってやっていますね。

―手紙とメールの違いって、どこにあると思いますか?
やっぱり字ってクセが出るじゃないですか、人の。それがすごくいいなーっていつも思っていて。癖って投げる時も出るんですよね、当然ですけど。人によってフォームって違うじゃないですか。だからこそその人の魅力だったり、ちょっと変だったりするところも人となりを伝えられると言うか。だから書く字も、あ、この人ってこういう字書くんだ、となんとなく伝えられる気がして。だからこそ僕は書くことにすごくこだわってきたのは、斎藤佑樹っていう人間を相手に伝えるために書いてきましたね。

―なんだか投げる球と近いですね、数値で測れないというか。
まさにそうですね。なんとなくこの人って丁寧な人なんだなとか、まろやかな人なんだなとか。文字って感じたりするじゃないですか。僕も全部さらけ出すじゃないですけど、今回もそういう気持ちで手紙を書いてました。

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