文化庁担当者にどう答えた? 下村元文科相

 旧統一教会が「世界平和統一家庭連合」への名称変更を認証された2015年当時の文部科学大臣、下村博文自民党前政調会長。認証経過説明がコロコロ変わり、直近は「名称変更で文化庁担当者から、当時、受理しなければ法的に訴えられ、負ける可能性がある」と報告どころか、ここまで懸念しなければならない相談を受けていたことを裏付ける発言をした。

 これで自身は関与しなかった、と言えるのか。問題が浮上した当初から、前川喜平元文部科学事務次官は関与無しはあり得ないと発信していた。下村氏は7月11日にツイッターで「文化庁に確認したところ、通常、名称変更については書類が揃い、内容の確認ができれば、事務的に承認を出す仕組みであり大臣に伺いを立てることはしていない。今回の事例も最終決裁は当時の文化部長であり、通常通りの手続きをしていた、ということです」と自身は関与していないことを強く表明するような文書を発表していた。

 しかし、旧統一教会問題に取組んでいる有田芳生前参院議員が2015年9月30日に当時の担当者から文書で得ていた回答を7月22日にツイッターで公表。回答には「通常は文化部長が『専決者』となっていますが、本件については大臣に事前に説明いたしました」とされていた。

 下村氏はその後「事前に説明はあった」と認め、今度は「政治的な指示はしていない」と関与を否定。そのうえで、「今後は関係団体含め、一切の関係は断つということは明言したい」と関係を断つことを表明した。本音は、これ以上の深堀からは逃げたいよう。政治的関与があったのかどうか、当時の文化庁担当者の発言にどう答えたのか、そこまでは説明する責任がある。(編集担当:森高龍二)

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