橋りょう崩落の磐越西線(喜多方-野沢駅間) 代替交通確保へ調整 福島県喜多方市など 夏休み明けまでに

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喜多方市の濁川に架かるJR磐越西線の「濁川橋りょう」。崩落が確認された4日に比べれば水量は減ったものの、茶色く濁った水が勢いよく流れていた=5日午後3時40分ごろ

 記録的大雨で福島県喜多方市のJR磐越西線「濁川橋りょう」が崩落し、喜多方-野沢(西会津町)駅間が運休している問題で、喜多方市は代替の交通手段について、夏休み明けまでに確保する方向でJR東日本や関係機関に要望するとともに、市議会とも調整する。一方、JR東日本は5日も濁川の水流や濁りが収まらず、安全を確保できないなどとして現地調査を実施できなかった。安全が確認され次第、早急に調査に入る方針。

 JR東日本によると、不通区間の代替交通手段について「地域の道路状況などを精査して検討する」などとし、明確な方向性を示せていない。

 喜多方市の遠藤忠一市長は5日、「喜多方-野沢駅間は高校生らの重要な通学手段」との認識を示し、夏休み明けまでに代替交通の確保にめどを付けたい考えを明かした。実現に向け、市独自の取り組みも視野に市議会と調整するという。

 西会津方面から会津若松方面に通う生徒もいることから、「会津全体でJR東日本や関係機関に再開を求める必要がある」と会津地方の他市町村と連携して早期再開を求める考えも口にした。

 西会津町の薄友喜町長は野沢-喜多方駅間には通勤通学や通院で利用する町民が大勢いると路線の存在意義を強調。「橋りょうの崩落という事情はやむを得ないが、代替手段がなければ町民生活に支障を来す。お盆の帰省にも影響する」と解決を求めた。

 一方、現地調査は橋りょう崩落の原因を把握して復旧方針を検討する第一歩となる。JR東日本は被害が判明した4日も設備担当者を派遣したが、安全性が確保できず調査を見送った。

 同社福島支店によると、5日は天候の回復に伴い水位こそ低下したものの、上流から濁った水が流れてくる状況が続き、作業員の安全性や川底の状況などを確認できないとして6日以降に調査を持ち越した。福島支店は調査の開始時期について「現場の安全性が確認でき次第、直ちに始める」としている。

 早期再開や代替交通確保の求めは不通区間で通っていた高校生からも上がる。喜多方市山都町の耶麻農高は全校生約100人の大半が磐越西線で通っている。夏休み中も資格取得に向けた講議や動植物の管理のため、平日は一部生徒が登校する。

 同市塩川町の高校2年の生徒(17)は資格試験の勉強で塩川駅から学校最寄りの山都駅に通っている。電車なら片道20分だが、家族の車だと30分かかる。「運休と聞き、どうやって登校するか不安だった。早く復旧してほしい」と願った。

 喜多方-野沢駅間はJR東が利用者の少ない路線として収支を公表した区間だが、生活路線の役割の他、SLの運行など観光誘客面での貢献も大きい。

 県生活交通課の担当者は「JR東日本の調査結果、復旧計画などを注視した上で、生活に欠かせない路線との認識の下、関係自治体と連携して対応を検討する」としている。