宇都宮大が「データサイエンス経営学部」新設 「デジタル人材」育成 2024年4月

3月に経営学に関する新たな学位プログラムの創設などを発表した池田学長=3月24日、宇都宮大

 宇都宮大は5日、2024年4月の開設を予定する新学部の名称を「データサイエンス経営学部(仮称)」と発表した。ビッグデータ分析などを通じて、社会やビジネスの課題解決を探るデータサイエンスと経営学を組み合わせ、地域で活躍できる人材を育成する。定員は55人。

 宇大によると、データ解析や人工知能に精通した「デジタル人材」の需要は国際的に高まっている。

 医療分野では大量の遺伝子情報の分析などで病気の治療や予防に役立ち、商業分野では消費動向の把握ななどに力を発揮する。新型コロナウイルス禍で社会のデジタル化が進む中、担当者は「人材育成が急務」と指摘する。

 新学部では、文系・理系の両面から、座学やインターンシップなどを通じて知識を身に付ける。卒業後は企業や自治体で「データサイエンティスト」などとしての活躍が期待される。

 県内には経営学が学べる私立大が複数あるが、データサイエンスに力を入れることで差別化を図る。各学部で連携し運営する「学環」の新設も検討した。しかし、文部科学省から経営やデータサイエンスはニーズが高いとして「学部が望ましい」と指摘があった。

 計画通りに開設するためには、文科省への学部設置申請を23年3月末までに行う。大学設置・学校法人審議会の審査を経て、同年8月末に開設が認可される。

 宇大の吉澤史昭(よしざわふみあき)理事は「企業や高校から長年要望があった学部。データ解析を多分野に応用できる人材を育てたい」と力を込めた。

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