広島への原爆投下から77年を迎えた6日、岡山市原爆被爆者会は同市中区門田本町の原爆被爆死没者供養塔前で慰霊祭を営んだ。会員や遺族ら約30人が参列して犠牲者を悼み、世界平和を願った。
原爆投下時刻の午前8時15分に合わせて黙とうをささげ、白い菊の花を手向けた。広信靖之会長(78)=同市南区=は、ロシアによるウクライナ侵攻に触れて「原爆の地獄を絶対に再現してはならない。一日でも早く戦争が終わり、平和な暮らしになることを願う」と述べた。
供養塔には、2021年度に亡くなった会員11人を含む831人の氏名を記した過去帳と、ボランティアで周辺の清掃に取り組む東山中(同市中区御幸町)の生徒が折った千羽鶴が供えられた。
広島で兄を亡くし、自身も被爆した吉田恵子さん(87)=同市北区=は「あんな恐ろしいことを二度と起こしてはならない。風化しないように伝えていきたい」と語った。
同会は広島、長崎で被爆した市民と2世で構成し、3月31日時点の会員数は223人。うち被爆者は203人で平均年齢は85.1歳となっている。