過去最大の引き上げ、最低賃金987円に 埼玉地方審議会、物価など勘案 10月1日から適用予定

県内最低賃金改正、時給987円へ引き上げ

 埼玉地方最低賃金審議会(会長・武蔵大学土屋直樹教授)は5日、2022年度の県内の最低賃金を時給31円引き上げて987円に改定するよう、久知良俊二埼玉労働局長に答申した。引き上げ率は3.24%で2年連続3%台になった。9月1日に官報へ公示、10月1日から適用になる予定。

 31円の引き上げは02年に時給で示す方式になって以降、過去最大だった。厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が2日、県の目安引き上げ額を31円としたことを踏まえ、県内の消費者物価指数や事業者の経営状況などを勘案して決定。委員15人が全会一致で賛成した。

 同局によると本年度に実施した調査では、県内の労働者のうち現行の最低賃金956円を下回る労働者(未満率)は約2.6%、新しい最低賃金987円を下回る労働者(影響率)は約19.5%だった。

 各都道府県の審議会の多くは同日に実施しており、目安通りであれば埼玉県を含む17都府県が31円の引き上げを行う。

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