統一教会は選挙にどのような影響を与えているのか?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

本記事は8月5日に公開した動画の内容を基に構成しています。

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2022年8月5日に公開された動画のテーマは……統一教会と自民党の選挙!

ゲストにライターの平河エリ氏をお招きし、今政界をにぎわせている統一教会と政治との関係性について、お話しいただきました。

統一教会など宗教は、選挙にどのような影響を与えているのか?確認していきます。

【このトピックのポイント】
・「統一教会が政治の中で一定の存在感を持ち続けていたのは有名な話」と平河氏
・宗教団体であるということ、政教分離の意味での問題ではない
・普通の人がもっと選挙活動に関わりやすくなれば、特定の団体の影響力が大きくなることを防げる

旧統一教会と国会議員の接点が明らかに

与野党問わず、イベント参加やパーティー券の購入、寄付を受けるなど、旧統一教会と国会議員の間に、次々と接点が明らかになっています。

平河氏「統一教会という存在自体が政治の中で一定の存在感を持ち続けてきたのは、政界関係者ではある程度知られていること。話題が沸騰したことではじめて知った方がいらっしゃるということが、逆に衝撃」

平河氏は今回の問題について、「宗教団体であるということが問題というわけではない」と明言した上で、旧統一教会の2つの問題を提起しました。

・高額の献金を要求することと、壺を買わせたりする、いわゆる「霊感商法」といわれる判断能力をなくしてお金を吸い取る活動
・団体として、かつて文鮮明氏が日本に対して批判的な発言をしていたことや、教義自体が反社会的・反日といわれる、日本に対して批判的な姿勢をとっていたこと

MC鈴木「『政教分離』という意味の問題ではない?」

政治や国家が特定の宗教を優遇することがあれば、政教分離上問題ですが、宗教団体が理想とするところを目指し、その実現のために政治家を支援することは問題ではなく、問題を履き違えてはいけない、と平河氏は解説します。

政治家たちが旧統一教会と関係を結んできた理由とは?

千葉氏「かなり前向きに選挙協力をしてくれるところが、関係につながっていたんですかね?」

旧統一教会が、幅広く議員を選挙で支援してきたのには2つの理由があると平河氏は説明します。

ひとつは、統一教会が1990年代や、もっと前を含めて非常にバッシングを受けたことから守るため。政治的に影響力を行使して、自身の立場を守るためというところ。

平河氏「当然、政治家の影響力を自身の宣伝に使った側面も見逃せません。安倍元総理が旧統一教会系団体のイベントに出席していたのを見れば、ちゃんとした団体なんだなと思う方は当然いらっしゃる。利用されつつ利用してきたという側面はあります」

議員から見て、旧統一教会はある団体のひとつに過ぎないのでは?選挙運動の「ボランティア」がカギ

MC鈴木は、自身の経験を振り返って「実際に選挙をやったり地域の会合に出る議員の行動を振り返ると、都議会議員だと新年会に100や200(件)出る。2月前半までは1日3〜4件回る。呼ばれたところには全部行くし、区別もあまりついていない人が多いと思う」と指摘します。

平河氏は、実態をどう考えるか難しいところだと置きつつも、それほど多くない、数万人規模の団体にこれほど強く祝電を打ったりアピールしたりするのは、団体の規模を考えるとやはり相当大きな影響力を持っていると考えられると述べます。

その上で、選挙は立候補者の理念に共感するボランティア活動を前提にしているが、土日や夜間の仕事帰りなどでなく、平日の昼間から理念に共感して一緒にやってくれるボランティアとはどういう素性なのか、と問います。

平河氏は、選挙に関わってみると、統一教会だけでなくいろんな団体がいろんな形で政治に関わっているということが見えてくると締めくくりました。

統一教会と選挙の問題の議論はどう収束していくか?

千葉氏「海外だと、たとえばフランスは厳しく規制されているという話もありますけれど、これを踏まえて日本は厳しくなるのでしょうか?なんとなくうやむやなまま議論が収束するのでしょうか?」

平河氏は、たぶん組織的には関わりがないという結論になると思うと説明します。

ただ、個人が個人として理念に共感する建前になっていたら、そこを完全に拒むのは難しいし、何かの宗教団体に属している人が政治活動をすることを妨げるのは、憲法上それを妨げるのはよろしくないと述べます。

何が組織的で何が組織的でないか、すごく難しい立て付けになってくるので、常に監視をしていって、いちど盛り上がって下火になってしまってまた戻るということのないよう、しっかり国民が声を上げることが大事だと、平河氏は訴えかけました。

首相や各党はどう反応した?

MC鈴木「一番意味がわからないのは岸田さん。(笑)」

政治家が会合に行く団体や、祝電を送る団体をもう少し精査することが当然必要だと。精査をちゃんとやるかどうかは、国民が厳しく見るようになったら、政治家がもう少し意識するようになると思うと提起しました。

平河氏「そもそも論でいうと、選挙のあり方は改めて見直す必要があるかなと思いますね」

平日の夜や休日だけの選挙活動でも十分成り立つ、選挙期間をもっと伸ばしたり、そもそも選挙期間という概念をなくしたりという形で、特定の団体に属さない普通の方がもっと気軽に関わっていける選挙にすることが、こういう団体の影響力を下げることにつながる、と平河氏は締めくくりました。

動画本編はこちら!

統一教会は、実は昔から政治の世界で存在感を見せていた?

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