2022鈴鹿8耐ポールポジションはTeam HRCに決定。長島哲太が完璧なアタックを決め唯一の2分04秒台を記録

 8月6日、三重県の鈴鹿サーキットで『2022 FIM世界耐久選手権(EWC)第3戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会』(鈴鹿8耐)の上位10グリッドを決める計時予選“トップ10クオリファイ”が行われ、Team HRC(長島哲太/高橋巧/イケル・レクオーナ)がトップタイムを記録し総合ポールポジションを獲得した。

 通常のスケジュールどおりならば15時30分から予選上位10台がワンアタックでタイムを競う“トップ10トライアル”が行われる予定だったが直前のフリー走行でアクシデントが続出。天候も変わらずに不安定なことから、鈴鹿8耐の最終予選は16時から40分間の計時予選“トップ10クオリファイ”で争われることになった。

 迎えた16時ちょうどにセッションがスタートを迎え10チームがピットを離れる。暫定ポールのTeam HRCはいきなりエースの長島哲太がコースに出ていき、暫定2番手のYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC(YARTヤマハ)はニッコロ・カネパ、Kawasaki Racing Team Suzuka 8H(カワサキ8H)はアレックス・ロウズを投入してくる。

 まずアタックに入ったのは2022年鈴鹿8耐“最速男”となるTeam HRCの長島で、計測1周目から絶好調の走りを披露して全セクター最速タイムを記録しながらホームストレートへ戻ってくる。サーキット中がホンダワークスの赤いホンダCBR1000RR-RSPに注目するなか、ホームストレートを駆け抜けた長島は2分04秒934という、自身が前日の予選1回目で記録したタイムをさらに上回る圧倒的なタイムを記録した。

予選アタックを行う長島哲太(Team HRC)

 2番手にはYARTヤマハのカネパが2分05秒981を記録して続くも、長島とは1.047秒差をつけられてしまう。続いてカワサキ8Hのロウズが2分06秒407で3番手に入る。ロウズはそのままアタックを続け計測5周目に2分05秒413までタイムを縮め2番手にポジションを上げる。

 その後カワサキ8Hは一度ピットへと戻りジョナサン・レイにライダーを交代。Team HRCも長島からイケル・レクオーナ、そして高橋巧へとライダーをチェンジしてコースに出ていく。セッション開始30分、ニュータイヤを装着したレイがアタックに入りセクター1で全体ベストを記録してくる。ホームストレートに戻ってきたレイのタイムは2分05秒149で、タイムを大幅に縮めたものの惜しくも0.215秒トップには届かず。しかし、素晴らしいアタックを披露したレイに対してチームクルーは大きな拍手を送った。

 トップ10クオリファイは16時40分に大きな順位変動なくフィニッシュを迎え、トップは計測1周目にTeam HRCの長島が記録した2分04秒934で変わらず、これでTeam HRCが第43回大会を迎えた2022年鈴鹿8耐のポールポジションに輝いた。2番手にはレイが2分05秒149をマークしたカワサキ8H、3番手にはYARTヤマハが2分05秒769で続くトップ3となった。

 4番手は2分06秒204でF.C.C. TSR Honda France、5番手は2分06秒409でSDG Honda Racing、6番手は2分06秒564でHonda Dream RT SAKURAI HONDA、7番手に2分06秒607でAstemo Honda Dream SI Racing、8番手に2分06秒668でHonda Sofukai Suzuka Racing、9番手に2分06秒897でBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、10番手に2分08秒033でEVA RT 01 Webike TRICKSTAR Kawasakiが続いている。

 ここまでTeam HRCが速さをみせている2022年の鈴鹿8時間耐久ロードレース。決勝でもその圧倒的な好調さを披露することはできるのだろうか。3年ぶりとなる鈴鹿8耐の決勝レースは8月7日11時30分に戦いの火蓋が切って落とされる。

2022年鈴鹿8耐の予選で唯一の2分04秒台を記録した長島哲太(Team HRC)

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