【日本の水辺をぶらり釣り歩き6】多摩川河口で江戸前のマハゼと遊ぶ

四方を海に囲まれ、雨が豊富な気象的条件から湖沼や河川に恵まれている日本。南北に長い地理的条件ゆえ生息する魚種も多く、各地の水辺では盛んに釣りが楽しまれています。そんな日本各地の水辺を訪ね、肩肘張らずに釣り歩いていく本連載。今回は多摩川の河口部で、夏の人気魚・マハゼと遊んできました。

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気分だけでも空旅へ。羽田の新名所で足湯に癒やされながら飛行機見物

仕事に追われ、冷房の効いた室内に籠る日々。この夏の酷暑を考えると快適ではあるのですが、数日続くと身体が外出を求めます。できれば避暑地へ旅に出たいところですが、そんな余裕はなく、それならば気分だけでも旅に出ようと羽田へ出かけてみました。

空港内をぶら歩きしたり、展望デッキからの眺めを楽しんで旅への欲求を満たすことも考えましたが、その手前に見慣れない建物を発見。後学のために寄り道してみます。

「羽田イノベーションシティ」と名付けられたこの建物。一部未完成とのことですが、ライブハウスや飲食店、芝生広場などバラエティに富んだ複合施設のようです。

敷地内には広い駐車場があり、京浜急行や東京モノレールが乗り入れる天空橋駅と直結するなど、交通アクセスも良好。羽田の新しい立ち寄りスポットとして、今後さらに注目を集めるでしょう。

ぶらぶらと施設内を見て回り、私が最も長居したのは屋上の足湯でした。海風に吹かれながら羽田空港を見渡し、足はじんわりと温かい。夏場ゆえ、そのありがたみは薄らぎましたが、気分転換にはいい時間です。

ちなみに後日、日没後に再訪したのですが、キラキラと輝く空港の夜景も秀逸でした。

羽田イノベーションシティ

住所:東京都大田区羽田空港1-1-4

今日の当たりは? 2種類のエサを携えて満潮を迎えた多摩川の河原へ

屋上で風が吹き抜けることもあり、地上よりは快適。湯の中で足をブラブラとさせながら飛行機を眺め、しばしボ〜ッとする時間。それほど長くはなかったものの、ずいぶんと足が軽く感じられるようになりました。

寄り道を終えて向かったのは、多摩川を挟んだ対岸の川崎市。こちら側は多摩川の河原に下りられる場所があり、釣りが楽しめるのです。河原とはいっても、このエリアはほぼ海。スズキやクロダイ、ボラなど多くの海水魚が泳いでいます。

この場所で狙うのはマハゼ。東京湾では昔から人気がある小型魚で、海釣りの入門者でも容易に釣ることができます。とはいえ、数を伸ばすには少々慣れが必要で、長年狙うベテランはエサや仕掛け、誘い方などの工夫を楽しみながら釣っています。

今回は私もエサにひと工夫。定番のアオイソメのほかに、鮮魚店で入手したアサリのムキ身を持参しました。アサリなら生きたエサが苦手な人でも問題なく触れますから、女性や子どもにもおすすめできます。

湧き具合は上々。どちらのエサにも好反応でサクッと数釣り堪能

まずは定番エサのアオイソメをハリに付けて釣り始めると、すぐに「ブルルルルッ!」と魚信が伝わりました。しかしハリには掛からず、逃げられてしまいました。エサを見つけるとすぐに寄ってきますが、巧みにエサの端を引っ張って逃げていきます。これをいかにハリに掛けるかが、ハゼ釣りの醍醐味と言えます。

ハリをひと回り小さくして同じ場所に投入。すると今度はあっさり掛かりました。ハゼの食い気は高いようで、次々にハリに掛かってきます。

釣果が2ケタに達したところでエサをアサリにチェンジ。少々硬い部分だけをむしってハリに刺し、足下へそっと下ろします。反応はすぐには出ませんでしたが、仕掛けを少しずつ動かして魚の食い気を誘います。その効果はてきめんで、すぐにアサリをくわえたハゼが釣れ上がりました。

この日は2〜3尾釣るごとにエサを替え、1時間ほどで30尾ほどを確保。これだけあれば晩酌の肴には十分。すっかり気分転換にもなり、早めに帰路に就きました。

当日釣れたマハゼは10cm以下が大半。これから秋になれば10cm超が増えて天ぷらが楽しめますが、小型は唐揚げにするのが一番。キンキンに冷えたビールとともに、束の間の休日を締めくくってくれました。

[All photos by オオモトユウ]

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