ザルコがレコード更新タイム続出のQ2を制し、今季2度目のポール獲得/MotoGP第12戦イギリスGP

 MotoGP第12戦イギリスGPの予選がシルバーストン・サーキットで行われ、MotoGPクラスはヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)がオールタイムラップ・レコードを更新してポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は21番手だった。
 
 フリー走行3回目は気温18度、路面温度28度のドライコンディション。序盤から中盤にかけてトップをキープしたのはヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)で、2番手にマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)、3番手にアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が続く。
 
 残り時間が20分を切ると、ピットに入っていたライダーがコースインし始め、タイムが続々と更新される。一時はビニャーレスが1番手タイム。しかしその後、チームメイトのアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)がオールタイムラップ・レコード(1分58秒168)に迫る1分58秒254を記録してトップに浮上した。
 
 アレイシ・エスパルガロはこのタイムでフリー走行3回目を制した。2番手はホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)で、アレイシ・エスパルガロのトップタイムに0.028秒差に迫った。3番手はジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、4番手は終盤のアタック中に転倒を喫したザルコ。トップのアレイシ・エスパルガロから4番手のザルコまで、0.1秒以内というわずかなタイム差となっている。
 
 また、5番手にはビニャーレスが入り、トップ5はアプリリアとドゥカティが占めた。ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は6番手だった。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は終盤にタイムを縮められず、20番手だった。
 
 フリー走行4回目では、序盤にチャンピオンシップでランキング2番手につけるアレイシ・エスパルガロが12コーナーでハイサイド転倒。アレイシ・エスパルガロは自力では起き上がれず、担架でランオフエリアから運ばれ、メディカルセンターに向かった。その後、フリー走行4回目中に歩行に肩を借りた状態でメディカルセンターを後にしている。怪我が懸念されたが、国際中継のレポートによると骨折などはないという。
 
 このセッションではザルコがトップ、2番手にビニャーレス、3番手にミラー、4番手にミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、5番手にクアルタラロが入った。中上は中盤に転倒を喫し、14番手だった。
 

■予選:ザルコ、レコードを0.4秒更新してポール獲得

 予選のQ1は気温21度、路面温度43度のドライコンディションでスタート。中上を含む4人のホンダライダー、KTMの4人のライダーなどがQ1から予選に挑んだ。
 
 序盤はエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)がトップ、オリベイラが2番手につける。後半に入ってもバスティアニーニはタイムを更新してトップをキープ。2番手にはブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリーレーシング)がつけていた。
 
 しかし最後のアタックでマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が自己ベストを更新。バスティアニーニから0.147秒差の2番手に浮上した。この結果、バスティアニーニとベゼッチがQ2進出を決めた。
 
 中上は11番手に終わり、ホンダ勢としてもアレックス・マルケス(LCRホンダ・カストロール)の7番手が最上位。アレックス・マルケスは中盤に転倒を喫したが、ピットに戻ってアタックを続けていた。また、予選の苦戦が続くKTM勢はオリベイラが3番手、ビンダーが4番手でQ2進出を逃した。
 
 続いて行われたQ2では、フリー走行4回目で大きな転倒を喫したアレイシ・エスパルガロを含めた12人全員がコースイン。バスティアニーニとベゼッチがQ1を突破したことで、Q2の12台中7台がドゥカティである。
 
 開始5分、マルティンがいきなり1分58秒前半のタイムを記録してトップに立ち、2番手にチームメイトのザルコがつける。そのふたりのタイムを、クアルタラロが更新。さらにミラーがクアルタラロに対し0.001秒差の2番手に浮上。激しいポールポジション争いとなった。
 
 残り時間3分を切って、それまで12番手だったアレイシ・エスパルガロがアタック。フリー走行4回目の転倒の影響を感じさせない走りで、オールタイムラップ・レコードを更新する1分57秒966を叩き出し、トップに立った。
 
 だがこの後に続くクアルタラロ、ミラー、そしてザルコも1分58秒の壁を突破する。中でもザルコは1分57秒767をマーク。レコードを0.401秒更新してトップに躍り出た。最後のアタックでビニャーレスが自己ベストを更新するもザルコのタイムには届かず、ザルコがポールポジションを獲得した。
 
 2番手は0.098秒差でビニャーレス。アプリリアに移籍後、初のフロントロウ獲得となった。3番手はミラー。決勝レースでのロングラップ・ペナルティを科されているクアルタラロはミラーとの差、わずか0.007秒で4番手で、2列目からのスタートとなった。アレイシ・エスパルガロは6番手を獲得し、2列目を確保した。

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